CHAMBER OF SECRETS

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生徒達の間では秘密の部屋についての話で持ちきりだった。
図書室ではホグワーツの歴史が全て貸し出され、魔法史の授業では2年のグリフィンドール生が質問したという内容が噂となって広がっていた。
結局のところ継承者が誰かは分からなかったが、マグル生まれの生徒達は少し怯えているようにも見えた。


「継承者って、ドラコが最も相応しいんじゃないか?」
談話室でゴイルがドラコに聞くのをアズサは横目で見ていた。

スリザリン生は狙われないと思っているのか、他寮に比べて随分と余裕があった。
「僕もそうだったら、マグル生まれを追い出してやれるんだが、違う。」

純血の名家の頂点といえる聖28一族の中で、マルフォイ、パーキンソン、ノット、グリーングラス、ブルストロードと揃ったスリザリン二年生の中の誰かがそうではないかというのが、スリザリン生の言い分だった。ポッターが継承者などという話は端から信じていないのだ。

『まあ、事を起こすなら入学してすぐよりも、ホグワーツのことがちゃんと分かってきた2年生以降っていうのも、こじつけみたいだけど頷けるかもね。』
口を挟んだアズサの顔をを、セオドールが睨みつけた。

「アズサこそ、継承者だっていう話もあるけどな。」
『私?それ言ったらマグル生まれ以外誰だって1度はアンタじゃないのって、言われてるんじゃないの?』
アズサの言葉にクラッブはぶんぶんと首を振った。パンジーは呆れたようにそれを見やった。

「丁度あなたが1日いなかったから、だから秘密の部屋を開いてたんじゃないかって。寮にもいなかったでしょう?」
ここにいる2年生のメンバーはアズサがスネイプの研究室で寝ていたことを知っているし、疑ってもいないのだが、アズサはそんな話があるのかと、驚いて口をぽかんと開けた。

その時、スネイプが談話室へと大股で入ってきた。

「諸君、そろそろ寝たらどうかね?」
スネイプに連れられた罰則終わりの上級生がいそいそと各人の部屋へと続く階段を降っていった。

「それと、Ms.ツキミヤ。間抜け面は止めた方が良いと思うが……最も、継承者だのという噂を払拭したいというなら止めんがね。」
『聞いてらっしゃったんですか。』

アズサはソファから立ち上がる。時計を見れば既に就寝時間を超えていた。

『それでは教授。おやすみなさい。』
アズサに続いて、そこにいた皆がスネイプに挨拶してから談話室を後にする。

部屋に戻ったところでパンジーがこそこそとアズサに囁いた。
「なんでスネイプ先生の嫌味、平気なわけ?」
『さすがに、年中顔合せてたら慣れるよ。』

アズサの言葉に、パンジーとダフネとミリセントが顔を顰めた。補習やら手伝いやらでいつも二人きりで過ごして平気なのは、この学校でアズサ位のものだと思った。


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