CHAMBER OF SECRETS

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「具合は。」

目を開けた時の至近距離での問いにアズサは暫く言葉が出なかった。
スネイプがアズサの顔を覗き込んでいるだけなのだが、これほどアップで彼を見たのは初めてだ。

『えっと…ただの貧血で。』
「閉心術の訓練の影響が無いとも言えん。幸運にも訓練は順調に進んでる故暫く無しとするが?」

スネイプの言葉はどこか棘があるようにも思えた。
それはマクゴナガルをはじめとする教授陣や校医からあまり無理をさせるなと注意を受けたせいであるが、アズサはそれを知らないので、彼の顔を深く覗き込んだ。

『分かりました。すみません、教授。ご迷惑を』
「日本人はすぐ謝るのか。」

純粋な疑問を口にした彼をアズサはすこし驚いたように見つめた。スネイプのストレートな物言いは中々に珍しい。

『ええ。周りに合わせる民族だと思います。』
「そうか。」

その後、アズサはスネイプの研究室へと移動させられた。
薬学教授であるスネイプが最も対応しやすい場所であったし、スネイプも態々女子寮まで足を運ぶのは面倒くさいらしかった。

一応男と女では無いかと思ったが、研究室からの扉が1つ増えていることに気づく。開けてみればアズサの寮ではないもう一つの部屋だ。休暇中はいつも使っているその部屋でアズサは再び眠りについた。





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