CHAMBER OF SECRETS

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アズサはいつものように脂っこいメニューの多い朝食から、サラダとフランスパンとスープだけを取り分ける。と、そこに、ベーコンが2枚程降ってきた。

『セオドール!どうしたの。』
「お前こそ、一人なのか。」

彼の鞄はアズサ同様既に午前の授業にいるものが詰め込まれているようだった。
『ほら、パンジー達朝苦手だから。』
「そうか。」
仕返しとばかりに彼の皿にポテトを入れれば、軽く睨まれる。


「今日は……DADAだが。」
セオドールの表情が先ほどまでとは打って変わり、苦虫を噛み潰したような、複雑な顔になる。
『あー…うん。』

今やロックハートの授業は一部の女子を除いた殆どの学生達に嫌われていた。

「確か、アズサは嫌いだったよな。」
視線で示した先にいるのは、今まさに大広間の扉を開け、大げさに手を振りながら職員席へと向かうロックハートだった。
『日本では、ああいうタイプは…あまり受けないからね。』
良くも悪くも和を重んじるのだ。

『パンジーもダフネもミリセントもみんなファンみたいで。』
「ドラコはどうしたんだ?」

食べ終わった皿を押しのけながら、セオドールが聞いた。
パンジーの恋愛の話だろう。
『LikeとLoveは違うんだって。』

ようやく職員席に着いたロックハートがスネイプになにやらしつこく話しかけているのをみて、アズサは思わず吹き出しそうになった。


「あの眉間の皺、湖より深いぜ。」
「大イカもびっくりだろうな。」

その様子をウィーズリーの双子が囃すのを横目に見ながら、被害をかぶらないうちに大広間から出た。




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