CHAMBER OF SECRETS

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夏季休暇は酷くつまらない。生徒の全くいなくなった廊下はひっそりと静まりかえる。
絵画たちさえどこかへ行っているものが目立ち、真夏だというのにぞっとするような寒ささえ感じられた。

7月中にロックハートの著書含め早々に全て通販で頼み、さっさと課題も片付けたアズサは廊下を早足で抜けていった。
最も2年で習うDADAの内容など、全て先学期に詰め込まれていたし、ロックハートの著書での予習の必要など全くないので、アズサは彼の本を箱に突っ込んでいる。何せ本の表紙のチャーミングスマイル賞受賞だとかいう笑顔がうざったいのだ。


アズサは図書室で借りたいくつかの本を抱え直し、地下牢へと続く階段を駆け下りる。
寝かせておいている大鍋たっぷりの薬品がそろそろできる頃だ。
放置して失敗しようものならスネイプになんと言われるか想像もつかない、重たい本を何度も落としそうになるものの、階段を降りる足を緩めることはできない。

休暇中な上、階段でもここは廊下。生徒の魔法の使用を認められていないことを少し恨んだ。







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