青薔薇との過ごす日常-邪魔する親戚共容赦はしないぞ-

□外伝02
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炎を宿した聖剣で人に害を成す、哀れな存在を始末する。
その境遇には同情しても、既に堕ちてしまっているモノに情けはかけない。
コイツらが居たらまた彼女達が傷ついてしまうかもしれないから。

そこにどんな哀れな事情があったとしてまた、堕ちた以上は容赦する訳にはいかない。

炎の聖剣の炎に焼かれ屍も残さず消えていく哀れな被害者を一瞥し、

「エクスカリバー!」

せめてもの情けで鎮魂の祈りでも捧げようとした時に、そんな雑音が響いた。

其方の方を一瞥すると、リアス・グレモリーとその眷属達、偶々其処で遭遇した始末できない、面倒な悪魔の一人がオレの火炎剣烈火を別の何かと勘違いしてそんな事を叫んでいた。

オレの聖剣をお前達聖書勢力の作ったイミテーションのガラクタと一緒にするな。

そんな無粋な奴を無視して帰ろうとするとオレの足元に魔剣が刺さる。
振り向けばリアス・グレモリー達が押さえているのにも関わらず、今にも飛び掛って来そうな木場祐斗の姿があった。

「……渡せっ! 怪我をしたくなければエクスカリバーを置いて立ち去れ。僕はその剣に復讐しなければならないんだっ!」

「巫山戯るなよ……」

オレは仮面の奥で奴を睨み付ける。下らない。お前程度の復讐のためにあいつの安全を差し出せと言うのか? お前ごときの復讐ごっこの為に渡せと言うなら、オレにも復讐の為に、お前ら悪魔を皆殺しにしてもいい筈だよな?

ああ、こいつと話していると秒単位で殺したくなる。

「リアス・グレモリー……」

「な、何かしら?」

「次は無い。次は殺す」

「ッ! 朱乃!」
 
リアスの声と共に朱乃は祐斗の首筋に雷を流して気絶させる。それを見た彼はその場から離れていった。









彼、『鳴海センカ』は転生者である。仮面ライダーセイバーの炎と銀河の聖剣と全てのワンダーライドブックを転生特典として与えられている。

特典として与えられた聖剣の力を得た時には既に後悔しかしていない。

彼には『湊 友希那』と『今井 リサ』と言う二人の幼馴染がいる。
家族と幼馴染と共に過ごしていた平和な日々が終わったのは、センカ達が中学2年の時だった。

三人の家族の命が奪われたのは、悪魔の手によるものだった。
その悪魔の目的が何だったのかは、今となっては分からない。だが、その時に邪魔としてセンカは殺されそうになった。

その時に覚醒したのがセンカの転生特典である、刃王剣十聖剣とワンダーオールマイティワンダーライドブックだった。
この世界においては、その剣の前に並の悪魔など存在することさえ許さない究極の全能の聖剣と、無限の可能性さえも宿した新たなる全知全能の書の力によって変身した姿の前に、その悪魔と眷属達は初めてクロスセイバーに変身したセンカの前に戦うことすら許されず、一瞬で消されることとなった。
当然の結果ではあるが。

そして、今のセンカ達は日本神話の保護の元に他の悪魔による被害者達と生活している。

なお、力を抑えた結果、今は全能の聖剣と全知全能の書では無く火炎剣とブレイブドラゴンの方を使っているが。
どう考えても下手しなくても世界を滅ぼせる力などoverkillと言うレベルですらない。毎回そんな力を使っていたらいくらなんでも拙いだろうし。
……友希那絡みでキレたらセンカも容赦無く冥界程度は滅ぼしに行くだろうし。現在は自制の意味も含めてクロスセイバーの力は封印中である。

まあ、それはどうでも良いが、センカにとって一番の問題点は一つ。

(……あの変態、悪魔になったのか?)

女の色香に惑わされたのか、悪魔に転生した身内、兵藤一誠の存在であった。

心の中で何があっても友希那達に近づけまいと誓っていた相手の顔に画面の奥で顔を顰めるが、今はさっさとその場を離れるだけと、その場を後にする。















さて、そんな事が有ってから数日後のことだった。


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