Sweet & Bitter
□ルーン2
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翌朝、ローズは人間界の制服とやらに身を包み、人間の女の子らしくポニーテールに髪を結い上げる。
支度をした三人はロビンと共に人間界の学校を訪れた。
「さて、行きますか。マドモアゼルたち」
「ハイッ、質問です。今日からハート取っていいの?」
「フフン、もちろんいくらでも」
学校自体が初めてのローズは胸が高まる。
「ちなみに名前は“加藤ショコラ”“愛須バニラ”“丘野ローズ”だからな。日本語として不自然がないようにオレが考えた───失礼します!」
「え…あの人って、もしかして…」
職員室に入ったとたんに職員全員の視線がロビンに集まる。
「うそーっ!転校生の父兄ってロッキンロビン…なの?」
「かっこいー」
「あたし…大ファン…なのー」
「ていうか子持ち!?」
「シッ、先生方はしたないですわよ」
一瞬にして職員室が黄色い声でいっぱいになる。
もはや職員室ではなくライブ会場のようだ。
『本当にすごい人気なのね…』
「うん。今朝“テレビ”にも出てたよ…コマーシャルってやつに!」
「三人とも、よく見てるんだよ。“のぞきメガネ”をつくって」
「でもあれは変身を見破るときの……」
言われたとおりにのぞきメガネをつくると、先生達のハートが大きく光っていた。しかもピンクや紫がほとんど。
「準備はいいかい?ベイビーたち」
エクスターズ=タンタシオン
おまえのハートをオレにくれ!
ロビンが呪文を唱えると職員室中から全てキラキラの結晶となって流れ星のように集まった。
これが“ハート召喚”の魔法。
「……じゃあ教室へ行きましょうか」
ハートを抜き取られた先生達は既にケロッとしている。
「がんばれよー」
すごい…。
一瞬で高エクルのハートを10個以上集めた。
この男、やっぱり天才なのだろうか。