Destinee
□ルーン1
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戴冠式後、新女王誕生を祝し盛大なパーティーが行われた。
豪華な料理に美味しそうなお菓子。
シャンパンの川に砂糖菓子の雨、加えて花びらが舞う。
パーティーは王国中の人々が集まったのではないかというほど大賑わい。
皆がみな楽しそうで見ているこちらも笑顔になる。
懐かしいサントル校時の友達と話しているとふと自分を微かにだが呼ぶ声に気がついた。
──「ミント……」
『ごめん、また後でね』
友人たちに謝りを入れ、度々会釈をしながら人ごみを掻き分け声の主を探す。
『ロビン!グラシエ!』
「「ミント!!」」
「あ、いや……王女」
やはり、予想通り声の主は今一番会いたかった二人だった。
『グラシエ、そんなやめてよ。いつもと一緒がいい』
それでも「だが…」と言っているグラシエはミントに圧され渋々合意した。
『二人とも来てくれないのかと思ったよ。…ん?その服装……』
ミントの驚いた顔にロビンはニヤッとする。
「気づいたか?ミントの即位に合わせて入隊したんだぜ」
ロビンの言葉にグラシエも頷く。
「そのせいで戴冠式に顔を出せなかった。すまない」
『そんな…!』
ミントはブンブンと首を振った。
「新米だからまだ少尉だけどなー」
「おまえのことは“オレたちが守る”」
「っおい!オレの言葉取るなよ!まあ、だから安心しろ」
相変わらずなやり取りに笑いながらも二人の言葉に熱いものが込み上げる。
「っておいおい、また泣いてるのか!?」
「な、なんか悪いこと言ったか!?」
『う、ううん!……私…嬉しくて………』
慌てる二人に涙を拭きながらミントも慌てて涙の理由を口にした。
『…ありがとう!持つべきものは親友ね。もう、大好き!』
ミントはロビンとグラシエに飛びつきハグをする。
対して二人は頬を赤く染めた。
『私たちは永遠に親友…!』
「「……ああ」」
腕を回しながら返事をするも純粋なミントの言葉に二人は笑顔の反面顔を曇らせた。