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□ランチタイム(2)
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「どうした。荒北、最近調子が悪いな。」
部活後の部室、福チャンから声をかけられる。
「あぁ。何でもねェヨ。」
軽く返事をするが、実は大丈夫じゃねェ。
原因は自分でもわかってンだ。
名無しさんが昼休み中庭に来てくんねぇから。
また来るって言ってたのに…。
「なんだ?なんだ?靖友、恋の病か?」
「ばっ、バァカ!!そんなんじゃねぇヨ。急に話に入ってくんな、新開!」
俺らの話に面白そうな顔をして新開が首を突っ込んでくる。
「女子の事なら、この東堂尽八に話せばすぐに解決するだろう。さぁ遠慮せずに言え。」
まぁた、やっかいなのが来た。
「だぁからぁ、違ぇっつってんだろ。別に好きなヤツとかいねぇし!」
あぁ、うぜぇ。
「荒北、今は大事な時期だ。どんな些細な事であろうと、不安要素は解決しておきたい。俺で良ければ話を聞こう。」
「福チャン…。」
まぁ、福チャンなら相談しても良いかな。
あの2人よりは茶化さずに聞いてくれるだろうし。
俺は福チャンを外に連れ出し、名無しさんの事を話すことにした。
(その頃の部室)
「靖友って、あんなにわかりやすいヤツだったんだな。」
「あぁ、あれじゃ好きな女子がいると言っているようなものではないか。」
ニヤニヤと笑う2人。
あとで寿一に詳しく聞かないとなー。