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□ランチタイム(2)
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「そういう訳でェ、1年か2年に名無しさんって女子がいると思うからクラス探せ。」
ポカンとする泉田と真波。
「えと、すみません。荒北さん。その名無しさんさんという女性の名字はわかりますか?」
「わかんねぇ。」
泉田の質問に即答する。
「そんな、情報だけで見つかるわけないじゃないですかー。もしかして、荒北さんその女子の事好きなんですかー?」
「うっせーぞ。真波。いいから探せっつてんだろ。」
「わかりましたよー。じゃあ、同じ名前で何人かいたときの為に特徴を聞いておきたいんですけど。」
特徴?
アイツは小さくて、髪の毛がサラサラで…
「…かわいい…。」
思わずポツリと言葉が出てしまう。
ヤバイ。俺、末期だ。
「「は?」」
声を揃えて唖然とする泉田と真波。
「だあああああ。違ぇ。特徴なんていいから、さっさと探してこい!」
それだけ言うと、顔が真っ赤になった俺は部室を出て行った。
(荒北さんが変だ。俺がなんとか探し出してあげないと…!アンディ、フランクも協力してくれ。)
(荒北さん、おもしろいなぁ。恋に生きてるって感じ。ずっと、このままなら見てて楽しいのに。)
残された2人は正反対の事を思うのだった。