名探偵コナン

□とある降谷と同棲生活
2ページ/3ページ



「ひぃ。ふ、ふるやさん?」

「なんだ?」


あの、なんでココに居るの?…は、愚問か。気配を消して背後にいるのはやめて欲しい……。すごく、心臓に悪い

「いいえ、なんでもないです」

「熱唱してた"神田川"が急に聞こえなくなって静かになったからな
風呂で沈まれても困ると思って、見に来れば、髪も乾かさずに遊んでるとは…風邪をひくだろ」

「え、とコレは……」

「ったく、貸してみろ」

すんなり手からドライヤーを奪われて、熱風が髪へと伝わる。
一瞬、何がなんだか…飲み込めずにポカンとした。

"髪を乾かしてくれる"

それが、嬉しい反面恥ずかしい。

お風呂で熱唱したの聞かれたとか、子供扱いされたとか、ドライヤーで遊んでるとか、反論したいことは沢山あるのに!

そんな文句を言わせない状況を作られていた。

「ありがとうございます……」

「どーいたしまして」

うまく気持ちを伝えたいのに、在り来たりな言葉を紡ぐのが精一杯
今まで、こんな風にしてくれたこと、
なかったはず…。

風を当てながら、降谷さんの指先で髪を梳かれ乾かされていく

正直、気持ち良くて。ぼぉ―…っとする頭で考えた

今日は…随分と、降谷さんに甘やかされている。


「ほらっ〜貞子だっ!」


不意に違う女性の名前を呼ばれても…困る。

ホラー?貞子?

「髪で遊ばないで下さい」

ワシャワシャと髪を弄りながら撫でられ、漸く乾いた髪は前後左右へと乱れていた。

「よし!サダコ。お終いだ」


いや、…前が見えない。

何より、降谷さんは私を玩具にして楽しんでいる。

「もう!サダコじゃない!」

声をあげても、簡単に抑えられて

「冗談だ、悪かった」

全く、悪いとは思っていない口振りで、乱れ飛んだ髪を何度か梳き、手際良く直してくれた。

降谷さんとの距離が近すぎて黙っていると、息遣いまで聞こえそう。

だんだん、視界は広がって、正面に座る降谷さんと目があった。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ