名探偵コナン
□とある降谷と同棲生活
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「ひぃ。ふ、ふるやさん?」
「なんだ?」
あの、なんでココに居るの?…は、愚問か。気配を消して背後にいるのはやめて欲しい……。すごく、心臓に悪い
「いいえ、なんでもないです」
「熱唱してた"神田川"が急に聞こえなくなって静かになったからな
風呂で沈まれても困ると思って、見に来れば、髪も乾かさずに遊んでるとは…風邪をひくだろ」
「え、とコレは……」
「ったく、貸してみろ」
すんなり手からドライヤーを奪われて、熱風が髪へと伝わる。
一瞬、何がなんだか…飲み込めずにポカンとした。
"髪を乾かしてくれる"
それが、嬉しい反面恥ずかしい。
お風呂で熱唱したの聞かれたとか、子供扱いされたとか、ドライヤーで遊んでるとか、反論したいことは沢山あるのに!
そんな文句を言わせない状況を作られていた。
「ありがとうございます……」
「どーいたしまして」
うまく気持ちを伝えたいのに、在り来たりな言葉を紡ぐのが精一杯
今まで、こんな風にしてくれたこと、
なかったはず…。
風を当てながら、降谷さんの指先で髪を梳かれ乾かされていく
正直、気持ち良くて。ぼぉ―…っとする頭で考えた
今日は…随分と、降谷さんに甘やかされている。
「ほらっ〜貞子だっ!」
不意に違う女性の名前を呼ばれても…困る。
ホラー?貞子?
「髪で遊ばないで下さい」
ワシャワシャと髪を弄りながら撫でられ、漸く乾いた髪は前後左右へと乱れていた。
「よし!サダコ。お終いだ」
いや、…前が見えない。
何より、降谷さんは私を玩具にして楽しんでいる。
「もう!サダコじゃない!」
声をあげても、簡単に抑えられて
「冗談だ、悪かった」
全く、悪いとは思っていない口振りで、乱れ飛んだ髪を何度か梳き、手際良く直してくれた。
降谷さんとの距離が近すぎて黙っていると、息遣いまで聞こえそう。
だんだん、視界は広がって、正面に座る降谷さんと目があった。
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