ハリポタ(短編)
□リーマスの災難
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薬草学の時間。
ペアになり、"温室に生える薬草を採取しその成分をレポートに纏める"
という、地道な作業が今日の授業内容。
僕はノエルと組んだのが間違いだった…。
***
「リーマスっ!みてみて?」
僕の目の前に差し出されのは…。
「へっ…蛇?ミミズ?」
びょーんと、伸びるその物体を平気で揺らすその姿は……。
"君、それでも女の子か?"と、突っ込みたくなる。
いや、もはや女子じゃないだろ!!
でも、………………僕の彼女だ。
「リーマス、これミミズだよね?」
ノエルは、その蛇にもみえる巨大なミミズを、まじまじと観察し早くも課題から脱線していた。
それを、元に戻すのが僕の役目だったりする。
小さく息を吐き、ノエルを窘めた。
「ノエル。いい加減にしないと、僕は怒るよ?」
「ってか、リーマスもう怒ってんじゃん」
あーゆえば、こーゆー。全く口が減らない。
「いいから。
そのミミズを、何処かに…ね?」
笑顔で脅してみせる僕に、ノエルは、パチリと瞬きをし、
「へいへい」と返事をした。
随分と、今日は素直に従うな……。
「うん?」
そんな筈がなかった!!
ノエルは、ミミズをグルグル回しながら、にこやかに笑い僕に近づいて来る。
「ちょっと…待て…」
思わず僕も、後ずさる。
が、次の瞬間、憐れなミミズは綺麗な放物線を描いて、作業経過を見回っていた、スプラウト先生の顔面を直撃した。
(げっ…!)
(あ、あぁ……。やってくれた。罰則決定じゃないか……)
そういう訳で放課後、温室で草むしりの真っ最中だ。
「何で…………この僕が?」
それもこれも、ノエルのせいで。
軍手にマスクの姿で草むしりとか、普通にあり得ない。
「リーマスっ!似合うよその姿。イッケメーン」
「君も同じ格好だよ」
冷やかすノエルに僕は、呆れてしまう。
「いいから、さっさと罰則終わらせて…
少し、僕に付き合ってね?ゆっくりお茶でも飲みながら、今日の反省会でもしようじゃないか」
「いえ……、結構です。(リーマス、目が笑ってないっ!!)」
「断る権利、君にある?」
「だからその笑顔。今度こそホントに怖い…」
「ノエル、そろそろ手を動かしなよ」
「ういっす」
確りノエルを捕まえて、僕は草むしりに励んだのだった。
『リーマスの災難』…と『報復(強制連行)』
END