月刊少女野崎くん

□イー♪ニーハイ!
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堀先輩の部屋に遊びに来て、前から気になっていた事を聞いてみた


「ん?11月28日の予定だって?」



「はい!先輩の誕生日ですよね?何がいいですか?サプライズ!」


「夏帆。俺に聞いた時点で、それは、サプライズじゃなくなるとは思わないのか?」


「へーい。そのとーりッス!」


「てか、誰だよソレ(キャラがブレてるぞ…)」


「キャラ崩壊ですね、強いて言うなら先輩のせいです。悩み過ぎて、脳内も崩壊しそうだから、本人に直接聞いてみる案を実行中です!」



「金曜日だし、普通に学校だろ?…部活の後…多分、野崎の家」


淹れたての珈琲をひと口飲みながら、先輩から当たり前のように返ってきた言葉

やはり、予想通りの答えだった


先輩に喜んで貰えるようなモノってなんだろう?無い脳みそをフル回転させて考えてみても

…最終的にたどり着くのは


ニーハイソックス


もう、ソレしか思いつかなかった

うーん。


やっぱり、先輩怒るよね?

いーんじゃね?脚フェチなんだし

ソレを貰って先輩はどうするの!!

つーか、みんなもニーハイ贈るよね〜っな、展開に便乗しちゃいなよ♪

いやいや、曲がりなりにも私は先輩の彼女!

普通にニーハイはおかしいよ

すったもんだと脳内会議が続行される中


とりあえず、先輩が淹れてくれたココアを飲んで糖分補給


「おま!ズズーって音立てんなよ」


お母さんみたいな先輩の小言が聞こえた気がするけど


スルーする。


閑話休題


仮にだよ、ニーハイ渡したとするよね

じゃあ、先輩の反応は?

ありがとー♪夏帆、って喜んでニーハイを履く!


あ…あり得ないね。


躊躇なく蹴りが入る!


いや、鹿島くんじゃないから、そこまでは…


ハッ!まさかデコピン?

デコピン…だね

ハイ。確定


あれ…結構、痛いんだ

想像しただけでヒヤッとする

疼きもしない額を、思わず手で擦ると

はた、と先輩と目が合った



「…何を考えてるんだ?」


余りにも真っ直ぐ見つめられたから


「な、…何って…ニーハイのこと考えてました…あれ?違う…先輩のこと…からのニーハイを…」


誤魔化せる自信もなくて、あっさりと白状しました


「へぇ、そうか…って、なんで最後がニーハイにたどり着くんだよ!おかしいだろっ!!」



「いいニーハイの日だからですよ」

知ってるでしょ、先輩

てか、ほらね?
先輩、怒ったじゃん!


「いや、待てよ?ニーハイか…」


言うや否や…


何かを思いついたような笑顔を携えた先輩に

夏帆、と名前を呼ばれ

そのまま、チュッと重なり合った唇

…突然すぎて、先輩の思考は全く読めない


軽く啄むような甘いキスを与えられ
なんだか、くらくらする


「夏帆、ニーハイでいいぞ?お前の御御足に、俺が直接履かせて膝枕してもらう!で、手を打とう」



「先輩、それ、サプライズじゃなくてリクエスト?」


「いーや、プライスレス!お金じゃ買えない価値だな」



なんか、凄い乗り気…

いや、本気だ!!本気が見え隠れしてるッ!




もはや、私の思考は完全に停止したのだった






END
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