月刊少女野崎くん
□不意討ちキスじゃ奪えない
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試験期間の今日は、先輩の部活もお休みだから、二人で図書館で勉強することにした
久しぶりに堀先輩を独り占めにできると思うと顔が緩みっぱなしで…
「夏帆、何ニヤニヤしてんだよ?」
「だって、嬉しいんです」
向かい合って座ると先輩との距離感が半端ない…
顔、近いよ…って思うの私だけかなぁ?
「先輩、ここの数学の問題なんですが…」
「どれだ?」
解き方を教えてもらいながら、感じる幸せな二人だけの時間
………は、そう長くは続かなかった
「あ、いたいた!堀ちゃーん、ちょっといい?」
「おう、なんだ?」
「夏帆ちょっとゴメン」
そう言って、先輩は席を立つとクラスメイトと一緒に図書館を出て行った
「いってらっしゃーい」
最初こそ、呑気に私も見送っていた
でもね…
何度めですか?先輩
座ったと思えば、呼び出され
堀ちゃんコールが鳴りやまない
彼氏が人気者なのは誇りに思いますよ?
だけど…
これじゃ私が満たされない
イライラ
モヤモヤ
でもこれは、私の勝手な焼きもちだって…
ちゃんと分かってる
否、分かってたはずだった
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