月刊少女野崎くん

□またひとりで空回り
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「あぁ!堀先輩〜ッ!やっと来た」


「夏帆…お前、寒くないのか?鼻の頭が赤いぞ」


ビョーオォと効果音付きの風が吹く、学校の屋上が今夜の待ち合わせ場所


「何も待ち合わせしなくても、会えるだろ」


「いやいや、堀先輩!それじゃ、あまりにも刺激がなさ過ぎる。あっという間に倦怠期突入しちゃうデしょ?たまには二人で星空眺めるなんてどうですか?」



「…別の意味で、確かに刺激的だよ!こんな風の吹き荒れる夜に星空眺める馬鹿がいるか?凍え死ぬぞ?星も雲に隠れてよく見えないし」



「えー。夢がないですよ…もっと、他に言うことないんですか?」




「鼻の頭を赤くしてる奴に、夢がないなんて言われたくないな。お前の方がよっぽど夢のない顔だ」

なにこの展開

顔、関係なくない?

もしかして…





またひとりで空回り!?



「ロマンチックな展開を望んでたのに…」



「夏帆、その思い立ったら直ぐ行動な思考…悪い癖だぞ…」


「ま。今度、よく星の見える日に俺が誘ってやるから帰るぞ?アホ」


「はーい。って!アホじゃないです!夏帆です!」



「に、しても寒いな」


「先輩、完全防備じゃないですか!マフラー貸して下さいよ」


「貸す訳ないだろ?アホ」

その台詞とは反対に

ふわっと、首に巻いてくれたマフラーは温かくて、いい香りがした


「うぁ〜い!先輩の匂いがする…なんだか、抱きしめられてるみたい!」



「ん?なッ…、やっぱり返せ、変態かっ?」



END
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