Happy Valentine!!2019
□チョコよりも甘く
1ページ/1ページ
ソファーで寛ぎながら、"週刊少年ジャック"のHQを読んでいる零くんの珍しい姿を見ながら、気になっていた事を聞いてみた。
「今週の予定だって?」
「うん」
淹れたての珈琲をひと口飲みながら、当たり前のように「仕事」の二文字が返ってきた。
やはり、予想通りの答えだった。
早く帰れる日があるかを確認したかったのに、こればかりは仕方がないか。
チョコじゃなくて違うプレゼントにしようかな?零くんに喜んで貰えるようなモノってなんだろう?
たとえ、14日の当日じゃなくても手作りのバレンタインディナーでお祝いしよう。
フォンダン・ショコラも作りたいし!
あれこれ思い巡らしていると、ふと零くんと目が合った。
「何を考えてるんだ?」
あまりにも真っ直ぐ見つめられて、なんだか見透かされてる気がする。
「な、…何って…?別に。零くんのことなんて考えてないからね?」
苦し紛れの言葉も、言い訳にしか聞こえなくて零くんに笑われてしまった。
「へぇ、そうか。じゃあ、もっと俺のことを考えてくれると嬉しいな。
木曜日は、ちゃんと定時退庁してくるから……」
満足そうな笑顔を携えた零くんに、おいでと呼ばれて隣に座る。
「本当は、どんなチョコが貰えるのか楽しみにしてる」
言うや否や顎を掬われチュッと、重なり合った唇。
軽く啄むようなキスを与えられ、チョコよりも甘い口づけに酔いしれる。
もはや、思考は停止中。
脳内までも融けてしまったのだった。
I'm always thinking of you.
Happy Valentine's Day!
(いつもあなたのことを想っています。ハッピーバレンタインデー!)
END