Happy Valentine!!2019

□チョコよりも甘く
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ソファーで寛ぎながら、"週刊少年ジャック"のHQを読んでいる零くんの珍しい姿を見ながら、気になっていた事を聞いてみた。

「今週の予定だって?」

「うん」

淹れたての珈琲をひと口飲みながら、当たり前のように「仕事」の二文字が返ってきた。

やはり、予想通りの答えだった。
早く帰れる日があるかを確認したかったのに、こればかりは仕方がないか。

チョコじゃなくて違うプレゼントにしようかな?零くんに喜んで貰えるようなモノってなんだろう?
たとえ、14日の当日じゃなくても手作りのバレンタインディナーでお祝いしよう。
フォンダン・ショコラも作りたいし!
あれこれ思い巡らしていると、ふと零くんと目が合った。

「何を考えてるんだ?」

あまりにも真っ直ぐ見つめられて、なんだか見透かされてる気がする。

「な、…何って…?別に。零くんのことなんて考えてないからね?」

苦し紛れの言葉も、言い訳にしか聞こえなくて零くんに笑われてしまった。

「へぇ、そうか。じゃあ、もっと俺のことを考えてくれると嬉しいな。
木曜日は、ちゃんと定時退庁してくるから……」

満足そうな笑顔を携えた零くんに、おいでと呼ばれて隣に座る。

「本当は、どんなチョコが貰えるのか楽しみにしてる」

言うや否や顎を掬われチュッと、重なり合った唇。


軽く啄むようなキスを与えられ、チョコよりも甘い口づけに酔いしれる。

もはや、思考は停止中。

脳内までも融けてしまったのだった。



I'm always thinking of you.

Happy Valentine's Day!

(いつもあなたのことを想っています。ハッピーバレンタインデー!)





END


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