名探偵コナン

□SherlockianとPotterian
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「は、初めてみた……。
アダルトエディション!!UK版のみしか発売されてないやつだよね?な、なんで赤井さん、ハリポタ持ってるの?」

黒を基調とした、ハードカバーに思わず魅入る。
こんなお洒落なモノを持ってるなんて流石としか言いようがない。
しかも、赤井さんに似合ってる。


「ホォー。さすがは、ポッタリアンだ。Adult Editionとよく気が付いたな?ホームズもハリポタも、舞台は英国だからな。別に普通に読むぞ?おかしいか?」

「おかしくないです」

感心する赤井さんに、フルフルと首を横に振って否定する。
…………寧ろ、格好良すぎる。

「ハリポタ歴はムダに長いけど、日本から出たことないし。英国ってことは…………赤井さん!!キングスクロス駅に行ったことありますか?」

「あ、あぁ……。んー、キングスクロス駅は行ったというか、毎日利用してた」

困ったように笑って云い淀んだと思えば、ほら!! すごい発言を吐いた。

「9と3/4番線は?」

「観光客が多くてスルーしていた」

「なんて、勿体無い!!」

「じゃあ、ベイカー・ストリート駅は?」

「お気に入りの場所だよ」

「……シャーロキアンめ」

ハハハと、軽く笑い飛ばされる。
本物を知っている赤井さんがなんだか凄すぎて、すぐ触れる程近くにいるのに、急に遠い存在に思えてしまう。

「はぁ〜、遺伝子レベルから違い過ぎるよね?」

「大袈裟だな、君と同じ人間だ」

淡々と返してくるけど、先程から私はキュンキュンさせられっぱなしなことを赤井さんは知らないだろう。

「くっ……。今なら、赤井さんに抱かれてもいいわ!!」

「ん?…………毎日、抱いてるだろ?心配するな、今日もそのつもりだ」

「何を即答で、エロいこと言ってるんですか!!てか、どや顔ヤメテ?」

「先に言い出したのは、夏帆だろ?」

「そうだけど、そうじゃない!!」

「わがままだな……」

ベッドの上をゴロンゴロンと転がって身悶える。

羨望の眼差しを赤井さん向けて、ため息を溢した。

得意分野を以てしても、勝てない。更に上を行くハイスペック……。

「なーんか、くやしい!」

「ほら、おいで」と呼び寄せた赤井さんの広い胸を、軽く押し退けてベッドから下りた。

「ハリポタ、観たくなっちゃった……」

「全く君は…………。どこで、ハリポタのスイッチが入ったんだ」

「ハリポタの後に、ホームズも。一緒に観ますか?……秀一さん?」


不満そうな赤井さんの頬を包み込むように両手を添えて、ニヤリと笑うと、嘆息してから赤井さんはグリーンの瞳を揺らし、不敵な笑みを浮かべたのだった。



END


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