名探偵コナン
□家庭教師にトライ〜赤井秀一の場合〜B
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授業時間残り15分で一問くらい余裕!と、たかをくくっていたのが、そもそもの間違いだった。
「John and Suzie…lost the way fell in the hole.」
「ん―…と、…………ジョンはスージーの穴を間違えて、スージィーは…
え、と。ジョンとスージィは穴の中で間違いを犯し…た?」
「違う」
「先生、穴を間違うってなんですか?」
「君は、穴を間違ったことがあるのか?」
「はぁ?質問に質問で返すの意地悪じゃないですか?穴を間違うなんて、どんな状況か分かりません」
「なら、そんな文章(答え)があるわけないだろ。もう一度、読んでよく考えろ」
"ノーヒントで解いたら、終わりにする"
と言われ、やはりそう甘くはないと今頃痛感する。
しかし、休憩の為に躍起になった。
沖矢先生の思うツボとも知らず。
「んー、ロスト ザ ウェイ……」
なんだっけ?あと一歩で答えが出て来そうなのに……。
ウェイ……ウェイ、うぇい?
うぇ〜い!!
あ、マズイ。
脳内に浮かんだのは大好きな排球漫画に出てくる血液キャプテンだ。
うぇ〜い?うぇ〜い?と小馬鹿にしながら、無駄にいい声(CV:中村)で畳み掛けてくる。
誰か黒尾の暴走を止めて……。
赤葦?大地さん?夜久くん!海さんか?
「ケンマァ……!!」
「はぁ?」
白目を剥いている場合じゃない。
「んんん、……」
じっ……と沖矢先生を睨みつけるように見つめれば、訝しげな表情で睨み返された。
「俺の顔に答えでも書いてあるのか?」
「馬鹿じゃないですか?ないですよ!」
「……………………」
「……………………」
「睨み合いは、俺とじゃなくてテキストとしてくれないか?」
「ごもっともですっ!!」
脳内"うぇーい"祭りが開催中のなか、
必死に雑念を払拭するべく、無意識にテーブルに額を打ち付けた。
「ゴフッ」
が、顔面ダイブするつもりはなかったのに……。
思いっきり打ち付けて顔が痛い。
おまけに突然の暴挙に出た、後の沈黙も痛かった。
「……………………」
「もう、…………降参か?」
冷静な沖矢先生の口調に苛つく。
痛くて惨めな気持ちだが、途中で諦めたりするのは嫌だ。
テーブルに突っ伏したまま、足掻いて見せた。
「降参?しませんよ!ロストザウェイ……は、……………………道に、迷う?」
「ほぉー。君の頭は衝撃を与えると答えが出る仕組みか?あまり誉められたやり方ではないが、正解だ」
感嘆の言葉を溢されたが
「そんなわけないでしょ!!今のはさすがに痛すぎましたけど、っう〜」
自分でも、閃きに驚いているのは内緒だが、結果オーライにする。