ハイキュー!!

□ふたくちでも食えない
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「ふたくちぃー、酸っぱいグミ食べる?」

「お…、くう!」


一粒摘まんで、口の中に入れる仕草をじっ…と見て

名無しは、ふふっ…と笑みを溢した

「…なんだよ?また、アレだろ?一口で食べてもふたくち!って言いたいんだろ?」

「イエス!良く分かっていらっしゃる」

「いや、毎回だろ…お前いい加減にしろよ、ホント…」


「だってさぁ、叩くなら折れるまで?がポリシーなんでしょ…二口くん!」

ぱちくりと一回、瞬きして…冷静になれ俺!と自分を励ました

ダメだ、口から魂がでそうだ

「テメェは、どこのイケメンのつもりだ?コラ」

それ、俺じゃねぇーし。と言えば

ヘラりと笑う

イラっとして名無しの右頬をグイと引っ張ってやった

「ふたくちも、イケメンじゃんか!毎回同じネタ振ってんだから、心折れろよぉー!」

お返し!とばかりに、ニヤニヤしながら名無しは伸ばした手で俺の右側の頬をグイと引っ張りやがった

クソッ…態とか!

なかなか食えない奴だ

「はいはい。心折れましたよー、ホントめんどくせぇーな、お前」

「よし!心折れたか、ふたくち」

「じゃあ、コレあげる」そう言って名無しが俺に見せたのはチロルチョコ1個

「しけてんな…名無し。もっと、俺に似合うお高級品チョコ持ってこいよ!ばぁーか」

「義理チョコだっつーの、ざまぁ〜ふたくち。もっと心折れろー!」

「テメェ…」

ご丁寧に包み紙を剥がし、さぁ食えとチロルチョコが机の上でスタンバってる

「絶対にネタだろ…」

「はい。どーぞ召し上がれ!ひとくち君」

「ふたくちだ。ばぁーか、ばぁーか」

苦し紛れに馬鹿を連呼しても虚しいだけだった

仕方なく、ひょいとチロルチョコを口に放り込むとやはり、名無しは肩を震わせて笑いを堪えていた

俺、なんでコイツに弱いんだろう

「頂きました!じゃあ、お約束の…」

「一口で食べても、にろ♪」

いや、今度は二口、カタカナ読み?

「俺、もうヤダ…ほんとヤダ」



02*15
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