バクマン。

□4月1日
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軽い冗談?

ほんの悪戯心?


そんな、生易しい事ではない。


僕は、本気だ。



悪魔な彼奴の……。

絶対、彼奴を…。



まぁ、いいや。
格好つけて話すの疲れちゃった。

"吉田氏を困らせてヤレ"
4月1日は嘘をついて良い日なんだしさ!って、思い立ったその日から。

原稿が落ちる!と慌てフタメク吉田氏の姿を想像すれば自然とペンは進むのだが…。
やはり残りのページ数は多すぎて、僕は死ぬ気で原稿を終わらせたのだ。

で、今日は待ちに待った、4月馬鹿。


筋書きはこうだ。

「もう、ジャックでは描かない」

コレだ。

はい、そこの君!

いつもと変わらないセリフだとか言わなーい。

休みたいとか、描けないとか!!

それは、口癖の様によく言った!

しかし、ジャックに描かないなんて発言はしたことないっ!…ハズ?

…あれ?あったっけ?自信なくなってきた

まぁ、いいよ。
ちゃんと、原稿は書いてあるんだ。

書かない、書きたくなーい!!と言って、吉田幸司が青ざめてくれたら、それでいい。

ざまぁー吉田氏!な、計画なんだからさ。





****


「え?吉田氏ッ!今日はゆっくり休んでいいのかッ!」


「あぁ。いいぞ、
平丸くんが、そんなに思い詰めていたとは知らなかった。
今日は、休養して。
明日また、これからを考えよう」


「平日が休日!すっばらしいッ」


豪語する僕の傍らで、吉田氏は顔色一つ変えずにため息を溢した。


「で?…気は済んだか?平丸くん。」


「はい?え…え、えっ。あ!」




「俺を騙そうなんて百万年早いと思うがまぁ、いいや。(原稿回収したし)」


「あれ?何この展開…。休める嬉しさについ、うっかり…騙すつもりが騙された?いや、待てよ……?」


紆余曲折あって、繰り広げられた茶番劇。

何があったかは、お察し下さい!



END


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