バクマン。

□もしも、吉田が高校教師だったら…(担当:英語)
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6時限目が英語って…まじで、ダルい。


担当の吉田先生の発音は綺麗だし、…よく通る声も好き。しかも…ルックスも申し分ない、ときたら…先生に恋に落ちるまで時間はかからなかった。

頑張って勉強したって優等生にはなれなくて、悪目立ちする方が簡単だった。


「あ〜き〜づ〜き?」

「はい。なんですか?吉田先生」

「何ですか?じゃ、ないだろう。お前、俺の授業中に、よく漫画が読めるな?コラ。ジャックは没収!罰として、問2を読んで訳せ」


「吉田先生、そのジャック…今週はラッコが超ウケますよ?」

「んなことは、どーでもいい」


べしん、べしん。


取り上げられたぶ厚い、週刊少年ジャックでかるーく頭を叩かれ、早く読めよと吉田先生が促した。

少年ジャックを使ってなんてことしてくれる…

漫画家と編集部にお詫びするべき…なんて心の中で悪態吐いた。


しかし…問2って、どこのページの問2なんだかも分かんないよ。

隣の席の平丸くんが、ここです。って、小声で教えてくれたから、助かった。


「えーと、John and Suzie…lost the way fell in the hole.」

「ん―…と、ジョンはスージーの穴を間違えて、スージィーは…え、と。ジョンとスージィは穴の中で間違いを犯し…?」

ん?
チラリと、隣の平丸くんを見れば…顔を赤らめて、肩を僅かに震わせ、必死に笑いを堪えている…。
だけどそれは、すぐ限界に達し、ブハっと笑ったせいで、クラス中が爆笑に包まれた。

「もういい。秋月、そのまま立ってろ。それと、放課後、俺の所に来い。」

一瞬、絶対零度とも言えるオーラを吉田先生が見せた気がした。

「ほらー、静かにしろ〜続けるぞ。この訳は…ジョンとスージーは道に迷って穴に落ちた、だ。…笑ってる場合じゃないぞ男子。こっから先は、女子は聞き流せー」

自然と注意を自分に向けて、しれっと言った。

「いいか?よく聞け!穴なんか、間違えたら
トラウマになるぞ?悲惨だからな、覚えとけ。
あ、コレはテストには出ないから、メモんなよ」


「…ヒィ」

隣で、平丸くんが小さな悲鳴を上げて、青ざめた。一体、なんのフォローなんだか、よく分からないけど…。

男子から、先生GJ!と支持を集め、女子からは、よく分かんないけど吉田先生だからまぁ、いいよ!と許される。


授業の展開がとても上手で、一気にペースを自分のものにして、クラスを纏め上げた吉田先生は…いつでも人気者。


ず、狡い…格好良すぎる。

思わず、惚れ直しました。
(立たされたままだけど)



END
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