ハリポタ(短編)

□trick or treat!
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trick or treat!



「スネイプ教授〜!」

「なんだ」

「trick or treat!」

「…はぁ?」

睨んでる…睨んでるけど、負けちゃいけない!


「ト…trick or treat!」

「はぁ〜ッ?!」

今夜のホグワーツはどこもかしこもハロウィン一色で、仮装した生徒で賑わっている


絶対に聞こえてるくせに…
スネイプ教授は、「ハァ?」でやり過ごす作戦か?

「て、ことは…悪戯していいんですね!了解です。
スネイプ教授ッ」

仏頂面のスネイプにダイブして、名無しがギュッと抱きつけば、薬学教室に居るような薬草の香りが鼻を掠めた

「離せ馬鹿者!」

眉間の皺を三割増しにして、迷惑そうにスネイプがあしらう

「私のこと…愛してるッて、言ったじゃない!」


「おま…馬鹿か?変な遊びをするな!減点されたいのかッ!」


「遊び?やっぱり、私とは遊びだったのねっ?ひどいっ…うわーん(嘘泣き)」

教授…遊びじゃなくて、悪戯なんですよ、などと言ってもスネイプは聞き耳を持たないだろう

ならば、ハロウィンに便乗して、もう少しこのまま抱きついとけコノヤロー!と名無しは思った

「いい加減、離れろっ」

「イヤです。」

正直、お菓子なんてどうでもいい
それよりも…名無しが欲しいもの

「教授のローブをください!廊下は寒いです。」

薄着の名無しが、ぶるりと身体を震わすとバサッとローブが掛けられた


「貸すだけだ」

「ありがとうございます」

何だかんだと言いながらもスネイプは優しい
それを名無しは知っていた

スネイプのローブに包まれながら、「まるで教授に抱きしめられたみたい」と、名無しは嬉しそうにスキップして帰っていった

ローブを貸したのは、間違いだったか?内ポケットにキャンディーを1つ入れおいたのだが…

「…あの鈍感じゃ、分かるまい」

遠退く名無しの姿を見送ってスネイプは溜め息を溢した
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