ハリポタ(短編)

□週2の彼女
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「そういえばさぁ〜ノエルたちって、週2なんでしよ?」
ホントにイチャイチャしてくれちゃって!
僕は全然、羨ましくなんてないけどさ

ジェームズの言葉に飲んでいた紅茶を思わずブハッと吐きだすとテーブルを挟んで真向かいに座っていたシリウスとジェームズが華麗に避けた

「な、なん…なな?」

週2が何を意味するかは身を以て知っている

一気に顔が熱くなり、カップを持つ手がわなわな震えた

「なんで知ってんだ?って顔だな」

「ぐっ………!!」

ニヤリと笑うシリウスを睨んで、隣に座っているリーマスの方を向くと、うまく言葉にならなくて視線で訴えた

「あーほらほら、ローブに溢してるよ?ノエルはしょうがないなぁ〜もう、染みになっちゃうでしょ?」

丁寧に自分のハンカチで拭き取りながら、世話をやいてくれる私の彼氏様はこんな時でも涼しい顔だ

「リーマス!」

恥ずかしさでいっぱいになりながら、やっとこさ名前を呼ぶと

「うん…まぁ、ノリだよね?」

しれっと言った

「ノリでそんなことまで言うの?」

ノエルは困惑の表情を浮かべたままだ

「ノエルの困った顔も好きだけど、別に傷つけるつもりじゃなくて…」

実は、とリーマスは経緯を話し始めた


ジェームズ:すげー今頃気づいたんだけど、採用面接にあった「SEX」欄に無しって書いた。あれ性別のことだよね…

リーマス:週2って書いた

シリウス:俺は大好きって書いたぞ


「と、まぁ…こんな感じで…」

「なんか…回想録がすごい手抜き感があるんだけど…なんなの?主席と次席と監督生が揃いも揃って何してんの?バカでしょ!」

ガバッと勢いよくソファーから立ち上がって三人を見下ろした

「まーな、あの後マクゴナガルに呼び出しくらって説教されたしな?」

「そうそう。不死鳥の騎士団入りも既に決まってた後だし…?」

「そういう訳だから、もう怒らないでよノエル」

この悪戯仕掛け人たちに、文句のひとつでも言ってやりたいくらいなのに…

どうやらとっくに完結したみたいな口振りだった


「取り合えず、落ち着こう?」

リーマスに促されて、ノエルは渋々と座り直す

「気にすんなよ、ノエル。俺は週2の彼女が欲しいぜ?」

「うっさい、馬鹿犬!あんたは毎日、相手が違うだけでしょ…とっかえひっかえが!」

「僕は全然、羨ましくないね!」

「だから、ウゼームズ!って言われるんだよ、リリーに相手されないくせに!」

一矢報いたと思えば…どこ吹く風でニヤニヤとしている

「ノエル、心配しないで大丈夫だよ。シリウスにもジェームズにも二度と週2の彼女なんて呼ばせないから!」

リーマスはノエルの肩を抱き寄せると真向かいのシリウスとジェームズを確りと見据えた 
まさか黒リーマスの降臨か?焦りの色を浮かべた二人が思わず身構えた


「今日からノエルは週2、じゃなくて週3!だから……ねっ?週2なんて言わせない」

にこにこと笑みを溢すリーマス以外が固まった

「「「……………」」」

一瞬の沈黙の後で…

「何言ってんの!?リーマス!?」

ノエルは顔を真っ赤に染めてリーマスに抗議し

ジェームズとシリウスは飲んでいた紅茶をブハッと盛大に吹き出し噎せ返った


ダメフィンドールは今日も平和です!




2015*03*10
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