その他

□パニーニ!
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「野崎!」

「ほ、堀先輩?何ですか?ソレ…」

堀が野崎の目の前に差し出したのは、

「秋刀魚の塩焼きだ」

「見れば分かります」

一体全体、何故自分に差し出されたのかが分からないのだが、堀の説明に野崎は耳を傾けた。

堀が魚屋で秋刀魚を買い
鹿島が畑で大根を抜いてきた
瀬尾のパワーで大根おろしが完成
佐倉が愛情を込めて秋刀魚を焼いた
剣さんが塩とカボスを差し入れてくれて
御子柴はノヤッさんが忙しくて欠席
だ、そうだ。

「どうだ?見事な連携プレーだろ」

どうだ?と聞かれても…。
最後のノヤッさんとは?なんだ?
しかし、連携プレーは見事である。
返答に困りながらも野崎はコクリと頷いた。

「旨そうですね」

「だろ。熱いうちに食え」

やりきった感を全面に出す堀に促され野崎は訳もわからず秋刀魚を口にした

「「「誕生日おめでとう!」」」

「え、?」


堀の他にも鹿島や瀬尾、佐倉までもが
わらわらと集まってきた。
皆、満場一致で誕生日ムードに染まっている。

今日は11月17日
6月6日では、ない。

果たして誰の誕生日なのだろうか?

とりあえず…。

何処のドナタか存じない、秋刀魚の塩焼きが好物で…尚且つ、本日がお誕生日な誰かの代わりに、野崎がお祝いされたのだ。

「野崎!ヘイヘイヘーイ」

「ウ…ウェーイ?」

無意識に、違和感なく出た台詞に野崎も驚くのだった。
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