ハイキュー!!

□彼の部屋でベッドの下にエロ本を探してみる
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そもそもエロ本を探すこと事態が無駄な努力なのだが、めげずに名無しはベッドの下を覗き込んだ。

定番すぎて、流石にここは…。
あるはずがないと、分かっていても、スルーはできない。

「ん?ナニこれ…?」
名無しが手を伸ばし引っ張りだしたもの……。

クリスマスデザインの少し大きめの紙袋を見つけた名無しは、目を丸くした。
もしかして、……もしかしたら?
当然だが、エロ本ではない。

これは……。
自分へのクリスマスプレゼントではないだろうか?

来週末にやってくるクリスマスを、恋人として、お互いに初めて過ごすのだ。
名無しも、既にプレゼントの用意は済んでいる。

「大地からのプレゼントは初めてかも…」

嬉しくも恥ずかしい、なんだか擽ったい気持ちになって、
澤村からの愛を感じる(?)紙袋を元の場所に戻そうとした名無しは、チラリと隙間から見えてしまった袋の中身を凝視した。

「ん、……え。」

もう一度、恐る恐る中を覗き、確信して固まった。

ソレは、透明なフィルムで可愛くラッピングされ、白いリボンが施されている。

が、……赤くて、丸いフォルム。
しかも、バレーボール位の大きさだ。

どうみても……。
いや、正真正銘の。

「だッ、ダルマ?」

呟きながら、名無しはスッと視線をドアに移した。

大丈夫。澤村はまだ、来ていない。

(大地にバレたら大変だ!絶対に怒られる!)

一瞬で負の連鎖が頭を掠め、わたわたと、名無しは紙袋をしまい、ベッドサイドに座ると、冷静に考えた。

(まさか、彼女へのクリスマスプレゼントがダルマ……って、ことは無いよね?何故、ダルマなのか?皆目見当も付かない)

ある意味、エロ本よりも、見てはいけないものを見てしまい、澤村への仕返しのはずが、返り討ちにあったみたいで、気分は最悪だった。

まるで、胃のなかに鉛でも詰め込まれたような、ズシンとした重みで胸が苦しい。
そうして、あとからやってきた
後悔と罪悪感に胸中は渦巻いた。

不在中の恋人の部屋で、エロ本なんて探すから……バチが当たったのだと、名無しが思ったその時
カチャと、部屋のドアが開く音する。

只今、後ろめたさ真っ最中の名無しは、予想以上に驚き、ビクリと大きく体が揺れた。
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