ハイキュー!!

□キャプテン!幽霊です!!
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「おまえらッ、うるさいっ!!」

体育館中に響いた、叱るその声。

名無しは思わずビクリと、肩を震わした。
いつも温厚真面目な澤村のイメージとは掛け離れた怒鳴り声は、恐怖そのものだった。

クラスメイトとしての澤村しか知らない名無しは、澤村のチームを纏める主将たる一面を目の当たりにし、足が竦んだ。


その証拠に、先程までの喧騒が嘘のように見事にシン、と静まり返ったのである。

「全員、そこに座れ」

ピシャリと言い放つ、一段と低い声音は冷ややかだ。

バダバタと急ぐ足音が聞こえたかと思うと直ぐに止み、再び静寂に戻る。

同時に体育館の外で、名無しは、足に力が入らず、思わずペタリと廊下に座り込んだ。

今更、幽霊の正体が自分だと名乗れるはずもない。
どんな顔で澤村に会えというのだろう。
いよいよ出にくくなったと、扉の傍で名無しは頭を抱えるのだった。



END
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