一撃男と甘党侍

□出会いは突然に…
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某時刻 Z市にて

「白菜が安くなっていて良かったですね先生」

「ああそうだな。今日は寒いし鍋にでもするかな」

B級ヒーローのサイタマとS級ヒーローのジェノスがそんな会話をしながらスーパーから出てきた。
彼らはZ市の外れにある無人街の一角にあるアパートに住んでいる。
何故2人が一緒に住んでいるのか知らない人は説明するのがめんど…もとい時間がかかるため詳しくはコミックかWebの方を見て欲しいのだが、まぁ大体で説明するとジェノスがサイタマの正式な弟子となりサイタマの部屋に押し入ったのだ。

今日は特売で安くなった物を買いに来ていたようだ。
2人が歩いているとジェノスが何かに反応したのか急に立ち止まる。

「先生、あちらに怪人の生体反応を感知しました。ヒーローはまだ来ていない様なので助けに行きましょう」

「おー分かった」

2人が走ってその場所に行くと案の定怪人が出現していた。数は3体で、それぞれの頭や体がタコやら魚やらでできていた。

「ガハハハハハハ!!!俺達は海産物の食べ過ぎで細胞が突然変異した海産物怪人3兄弟だ!海を大切にしない奴は俺たちがボコボコにしてやる!!」

そう叫んだ怪人は貝に人の体をくっつけた様な格好をしており、他の2匹も頭がイカ、タコになっているところ以外はほとんど変わらない容姿をしていた。

「…こいつ等意外と良い奴?」

「ボコボコにすると言っているのでいい奴らだとは判断しかねます、怪人化してますし。しかしよく見るとコイツら前に見た海人族に似ていますね」

「そんな奴らいたっけ?」

怪人がいるというのにのんびり会話しながら、ジェノスとサイタマは人の波に逆らって怪人達の方に向かっていった。
「先生」

「よしやるか」
(コイツらの顔食えっかな…)

サイタマとジェノスは怪人の方へ走り出した。

いや、走り出そうとした。

「のわあああァァァ!!!?」

「!!!」

ドオオオオオオンッッッ
突然空からイカ頭の怪人に大声で叫びながら何かが落ちていき、強い衝撃と共に爆風が起こる。
驚いた2人は思わず踏み出そうとした足をピタッと止め砂ぼこりが目に入らぬよう顔を腕で庇い、砂煙が晴れて怪人達の方に目を向けた。
そこには何故か怪人の上に座り込んで「痛え…」とつぶやきながら頭をボリボリ掻いている、1人の人間がいた。
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