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□鈍感は罪だと思う
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俺達は付き合っている。
中学の頃から一緒に部活やってきて、気がついたら隣にいるのが当たり前で、心地よかった。
金田一は馬鹿が付くぐらい正直で、純粋で、素直なやつだ。
そんなと所に惚れたのだけど、なんて言うか…、もっと空気とか、意図を察する能力を身につけるべきだと思う。
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月曜日の今日はバレー部の休息日で、学校帰りの金田一を家に呼んだ。
親は帰りが遅い日で、一緒にいたいというのも本音だけど、恋人っていうなら、もう少し意識しても良いんじゃないかなぁ、と思うわけで。
普段の部活はハードで疲れがあるのも分かるけど、かれこれ1時間もお互いの背中に寄りかかって雑誌やら漫画やらを読んでいる。
…実際のとこ、金田一の背中はとってもあったかくて、何度か寝そうになったけど。
でもそろそろ、構って欲しくなってきて。
こんなこと思うのは金田一相手だけだし、こいつに察しろって言う方が難しいのかもしれないけど。
手持ち無沙汰なわけ。
だから気付いてもらおうと顔を覗いたり、服引っ張ったりしてるのに、コイツは。
「なんだ、眠くなったのか?」
……確かに俺はいつも割と眠いけど、こんな時まで眠くない。少し悲しい気もするけど、いい加減じれったいから、ちょっとくらい強行手段とってもイイヨネ?
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