infinite

□僕のレモンサタン
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「...あ」


つーっと気がついたら目から熱いものが流れていた。


僕は初対面の人からすれば涙もろそう、とかよく泣きそう、というイメージがあるらしいが実生活ではそう泣くほうではない。最後に泣いたのはいつだったかな。この間新曲を出して一位になったときに思わずメンバーたちとの数年間が頭に浮かんで泣いてしまったことはあったけれど。

末っ子だからと言って守られてばっかりだったり弱い姿を見せたくないというのが僕の本心だ。このグループの中では末っ子だけれど家に戻れば一人の弟を持つ兄である僕にとってはそうした小さなプライドがある。

そんな僕のことをいつも一番よく理解してくれて話相手になってくれたのはホヤヒョンだった。グループの中でも中間、実生活でも兄と弟を持つヒョンは兄としての気持ちも、弟としての気持ちも熟知している。

でももうそれも限界かな。今思い返してみれば僕とヒョンの会話はいつも僕が一方的に投げかけてばかりだったしヒョンもそんな僕に愛想を尽かしてしまったのかもしれない。


そうやって少し自嘲的に自分を振り返っていたら時計の針がぴったり頂点で重なっていくのが見えた。

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