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□君の好きなとこ ─キム・ミョンス編─
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恋人に自分のどこが好きか尋ねて「全部」と答えられると大概の人は機嫌を悪くする。

そして僕のその恋人もその部類だ。


さっきだってあの澄んだ目をキラキラさせて「ヒョンは僕のどこが好きなの」なんて上目遣いで聞いてくるもんだから思わず「全部だよ」と答えてしまった。


「なんだよ、それ」


それまで僕の腕の中にいたソンジョンはぷりぷり怒って僕の腕をすり抜けて部屋にこもってしまった。



でもそんなこと言われたって全部と言ったら全部だ。
ソンジョンの好きなとこ...




黒目がちの大きな目。触ると柔らかくて指通りのいい髪。愛らしい鼻。柔らかくて弾力のある唇。抱きしめたら折れそうなぐらい華奢な体。長くてすらっとした四肢。真っ白で滑らかな肌。成人したのにまるで少年のような少し高い声。だけどふとしたときに見せる大人びた表情。目を伏せると際立つ長いまつげ。 おっちょこちょいなところ。 人一倍負けず嫌いで頑張り屋なところ。どんなにつらくても人前では弱音を吐いたり泣かないところ。それでも僕にはすべてをさらけ出してくれるところ。




ほら、挙げだしたらきりが無い。




やっぱり全部が好きだよ。
あとで部屋でふてくされて狸寝入りしているであろうソンジョンをそっと抱きしめに行こうと思う。


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