vixx
□マシュマロ
1ページ/2ページ
本能を抑えられない時はどうしたらいいのだろう。例えば、誰かに触れたいという本能を。
その1 他の事をする振りを装って近づく
その2 何も考えないで本能のまま行動する
その3 ・・・。
そもそも口数が少ない上にスキンシップも少ないという(レッテルが貼られている)自分には2番なんてまったくの論外だ。
あのやかましいチャハギョンとかいうやつにならいとも簡単な事だろうけど。こういう時ばかりはあいつの天性の人懐っこさをうらやましく思う。
結局何の案もない俺は1番の策を取らざるをえなかった。
そもそもサンヒョクに触れたくてたまらなくなったのは今年に入ってからだった。
高校を卒業して立派な大人の仲間入りを果たしたサンヒョク。ファンの前でも大人びた姿を見せようと努力する彼はまさにアイドルの鏡でもあり、ヒョンとしての誇りでもあって。
そんな彼を温かい目で見守っていたはずが、その指先に、その顎のラインについつい目がいってしまって離せない。
サンヒョクを見ているとドキドキする。触れたくてたまらなくなる。その髪に触れたらどんな感触がするんだろうか、はたまたその体温を感じれたら...
勿論そうやってやましい気持ちを抱いてしまっている自分に嫌気が差した。家族同然である弟に。でもその気持ちとは裏腹にサンヒョクに触れたい、という気持ちは増していくばかりだった。