vixx

□犬猫の仲
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僕はおよそテグニヒョンは性欲とは無縁な人だと思っていたから面食らった。
だって気がついたら、ヒョンと、僕の唇が、重なっている。


いつも僕たち5人がみんなで、パソコンを囲んであの女の子がかわいいなんて騒いだり、グラビア雑誌を見てホンビンが巨乳の女の子にデレデレしているときも興味なさそうにひとりで本を読んでいる、ヒョンの唇が。


そんなヒョンがなんで、どうして。
頭をぐるぐると巡らせていたらいつのまにかヒョンと僕の舌先がこんがらがっていた。


体がじわじわと熱くなってくる。不思議と男にキスされているのに少しも嫌じゃなかった。





僕はその時も、その後も、理由を聞かなかった。もっともその時はヒョンから仕掛けたくせに、ヒョンから体を離して去っていったからだけど。
その後も理由を聞かなかったのは、なぜかは分からないけれど、よく通り魔犯なんかが供述するみたいに、「誰でもよかった」って言われるのが怖かったから。


僕たちは職業柄、女の子とうかうかと遊ぶこともできない。だからヒョンだって溜まっていたんだろう。ヒョンだってああ見えて立派な20代半ばの成人男子だ。僕たちの目を盗んで抜くこともあるだろうし、溜まっていた性欲がいきなり爆発して衝動的になるときもあるんだ。
僕はあまり深く考え込まない性格柄、ヒョンのあの行動は一瞬の気の迷いだと思って気にしないことにした。

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