vixx
□蜜豆*
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僕はいつも、ヒョンを抱いているはずなのにヒョンに抱かれている感覚に陥ってしまう。僕のすべてを、あまりにも優しく包み込んでくれるから。
ヒョンって、なにものなの?
僕は行為をいったん止めてヒョンの髪の毛に顔をうずめた。
僕の荒い息でヒョンの髪が揺れている。
「どうしたの?疲れちゃった?」
「僕が上になろうか?」
まだ整わない息でそう言って体を起こそうとするヒョンをきつく抱きしめて動けないようにする。
「ホンビナ...?」
初めての時も好きな人の前では格好をつけたかった僕はあっという間に達してしまって落ち込んでいた。なんだか悔しくて恥ずかしくて顔も上げられない、そんな僕を優しくあやすように頭をぽんぽんと叩いてくれて。
そのあとも自分のほうが体力を消耗しているはずなのに、ヒョンは、唾液まみれのだらしなく開いた僕の口を拭ってくれた。それから、汗で、精液で、ベトベトになった僕の体を、自分より先に拭いてくれた。きれいになったね、まるで赤ちゃんのお世話をするみたいに。 そうなったらもうプライドなんかなくなって、この人には全てを預けてもいいんだ、そう思った。
だから思い返したら、行為中もいつも無我夢中になって、ただただ自分の意のままに腰を振って、ヒョンを突き上げて。たまにはヒョンが上に乗ることもあるけれど、やっぱりヒョンが気持ち良くなっているかなんて考えたことがなかった。いや、考える余裕なんて僕にはないんだ。
いつもの優しく僕を見つめる目が豹変して僕を誘う目になる。余分なぜい肉をそぎ落としてほっそりとした筋肉だけが残る体が僕を包み込むように動いて。その口でただ息をするだけでも僕の性感帯に働きかけてしまう。
でもどうかな。ヒョンは僕とセックスをしていて気持ちがいいんだろうか。