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□ヒョンの好きなとこ ─イ・ホンビン編─
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『ホンビナ、ごめん、愛してる』



毎晩のように僕が寝たあと、ヒョンがこうつぶやいているのを僕は知っている。
最初は寝言かと思っていたが、それは違った。

ヒョンはあまり口数も多くないし、愛情表現も苦手なほうだからこうやって僕が寝たあとに言うんだろう。


だけど全然ごめんなんかじゃない、言わなくても、言葉で伝えなくても、ヒョンの僕への気持ちは全部その温もりで伝わってる。

むしろちゃんと伝えられてないのは僕のほうかもしれない。いつもその温もりに甘えて身を任せてしまうだけだから。

僕はどうして、ヒョンのどこが、好きなんだろう。




僕を見つめる切れ長の目。思わず抱きつきたくなる広い背中。赤く艶やかな唇。雪のように白い肌。僕の体を撫でる長くて繊細な指。高くてかすれた声。 僕より少し高い体の温度。 いつも無愛想なのには子供や動物に甘いところ。無口でも、思いやりのあるところ。もちろん僕にはツンとした態度を取りながらなんだかんだ甘いところ。




その全てが僕のものだなんてなんて幸せな男なんだろうと考えながら僕はいつのまにか眠りに落ちていた。


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