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□エゴイスト*
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「ジョンハナ、帰、…」
トイレで用を済ませ、一緒に帰ろうと教室の中で待ってくれているジョンハンに声を掛けようとしたら、ちょうど窓から夕日が差していてジョンハンの髪と白い肌を眩しく照らしていた。その姿はあまりにも美しくて、瞬きをするのを忘れていたぐらい。
『…この人は、僕には手の届かない人なんだ』
瞬間的に僕はそう感じていた。そして、自分がジョンハンの心を、手に入れたいと願っていたこと、僕のこの気持ちはただの憧れじゃないこと、そうやって一気に自分に関する新事実が押し寄せてきた反動で、僕はその場から逃げるように立ち去っていた。