others

□エゴイスト*
5ページ/10ページ

ジョンハンは僕にとって手の届かない存在だった。

 

大学に入学してから出会った君。第一印象は、女性かと思うくらいの不思議な透明感があるのにその瞳の奥には男らしさを秘めている不思議な人、というものだった。


「…隣、いいですか?」


アメリカからやって来たばかりでまだ韓国の学校に馴染めないでいる僕に話しかけてくれた君。僕を救済してくれた君。自分であだ名は「天使」だと言っていたけれど、僕には天使よりももっと輝く、聖母マリアのように見えた。男性にそんなことを言うのはおかしいと思うけれど、本当にそう思ったんだ。

 
いつも横にいるだけで満足だった。どれだけ女の子たちが僕を見て羨むような、時には嫉妬の目線を送ってきても、気にしまいと雑念を振り払っていた。

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ