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□エゴイスト*
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「...ジスのことで、相談があって...」
「なんでそれを僕に...」
「ジスから聞いたんです。あなたと親友だって。いつもあなたの話を楽しそうに話してくれるんです。あなたなら私よりもジスのこと、分かるんじゃないかって。彼、なんだか最近元気がなくて」


ジスの言っていた「あの子」の家に招かれたのはジスの発言を聞いてちょうど1か月経った頃だっただろうか。「彼」、という彼女の言葉にちくりと胸が痛んだ。


「急にそんなこと、言われても...」
「何か、聞いてませんか」
「何も聞いてないけど...ただ」
「ただ...?」
「ひとつだけ分かったことが」
「な、なんですか」
「...ジスより僕のほうが君には似合うと思う」


それから僕はその女の子の顔を見ないように目をぎゅっと瞑って勢い良く唇を合わせてソファに体を沈みこませていった。

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