*Text*

□ギリギリライン
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「土方さん、野球拳やりやせん?」
「……(またよくわからないことが始まる予感が…。)」





ギリギリライン





「なんで野球拳?」

クーラーの無い、熱がこもりきった教室。授業の合間のこの時間。

「暑いでしょう?」

お互いの身体からは宝石の如く輝く汗が、流れ落ちる。

「…確かにそうだが」

「早く始めやすよ、
じゃんけんぽん!」

「えっちょ」


いきなり過ぎだろ!!
と、咄嗟に出たのはチョキ、向こうはグー。


「よっしゃ!さぁ土方、脱げ。」


満面の笑み(黒)で此方を見上げてくるので、仕方なくシャツを脱ぐ。

「さぁ、全裸にしてやりまさぁ」
「…(勝たないと危ねぇ…!)」
「いきやすぜ。」


「「最初はぐー、じゃんけんっ」」


今度は俺が勝ち、
互いに上半身は学校指定外の派手なTシャツとなった。

そうしてどんどん無意味な争いは進んでいき、上半身は裸になり、靴下もベルトも無しの状態になった。
つまり、次の勝敗でパンイチになるかならないかの勝負が始まろうとしていた。


「土方ぁ、次でパンイチですねぃ」
「そっちこそ…辱しめにしてやるよ」

「「じゃんけん…」」


キーンコーンカーンコーン


「はーい、授業はじめるぞーー、

あり?なになに沖田くんと大串くんクールビズ?
ダメだからねー、一枚くらい着なさいー」

気だるい銀髪の声。
半裸の二人は、無言で服を着始める。


俺達の勝負は、コイツによって幕を閉じた。

「まじでか…チッ」


総悟は舌打ちしていた。
が、俺は内心安堵しつつ、でも見てみたかったとう欲求に刈られることとなった。















END*

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