喰
□想。
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『おはよう、カナメ』
おはよう、母さん。
『ありがとう、カナメ』
ううん、やっと会えたね。嬉しい。
『貴方を一人残して、逝ってしまったことを許して欲しいなんて…思わないわ』
ううん、そんなことない。
俺ね、ずっと一人だと思ってたけど、もう良いんだ。
『?』
母さんはここにいる。母さんの一部が残ってる。こんな形でも、残ってる。
それに、俺は一人じゃなかったんだ。
『……。』
「あんていく」の皆とか、ウタさんとか、俺は何も見えてなかった。
真戸さんとか、亜門さんとか、白鳩はやっぱり許せないけど、それでも俺はここに居たい。
『なら、もう本当に良いのね?』
うん。
俺のこれは復讐じゃない。
俺の想い。気持ち。意志。
俺、そのもの。
『強くなったのね。嬉しいわ。』
有難う、母さん。
『最期に…最期に一つ。』
何?
『貴方にはもう一つ、赫包がある。父さんと同じ、綺麗な羽赫よ。』
え…?
そこで途切れ、俺の意識は急浮上した。