ぷよぷよ!!〜番外編〜

□闇の魔導師と彗星の魔導師
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シェゾ目線
「う……ん…」
 意識がはっきりしない。でも、居心地の良い場所だった。
 ひたすらぷよ勝負をしていただけなのに、爆発らしきものに巻き込まれた。
…ったく、一体オレが何をしたって言うんだ。

「……は?」
 目が覚めたオレは、見知らぬ場所にいた。オレのいた所には、こんなにのどかな場所はない。
 一体ここはどこだ。
「あれ?大丈夫ですか?」
「あ、あぁ…って、お前…」
「どうかしました?」
 オレに手を差し出してきたのは、オレよりも年下の青年だった。見たところ、アルルと同じくらいか、あるいは少し下かくらい。
 そしてこいつは、とても魔力が強い。…この力、悪くないな。
「お前…が、欲しい!」
「ええっ!?す、すみません、僕にそんな趣味は…」
「ああっ!しまった!『お前の力が欲しい』と言うつもりだったのに!」
 これだから、オレはヘンタイとか言われるんだよな…

 「それじゃあ」と言って、あいつは去っていった。名前すら知らないな…
 そういえば、オレはどうやったら帰れるんだ?またぷよ勝負をするか…

「アナタ…危ないカンジがするワ…」
「!?」
 木陰から聞こえた声にオレはすかさず闇の剣を構える。声的には、まだ中学生くらいの女子か。

「…お前、何者だ」
「何者っていわれても…アタシはフェーリよ…」
「フェーリ?」
「そう…アタシはフェーリ」
 木陰から出てきたのはこじんまりとした女の子。魔力はそこそこか。

「アナタがさっき助けてもらった人は、彗星の魔導師レムレス…アナタは闇の魔導師でしょ…?」
「なぜわかる」
「それが、ウンメイだからよ…」
「ウンメイ?何を訳のわからんことを…」
「キエエエェェェェェ…!!!!」

 なんだなんだ。訳のわからん小娘だ。
「闇は、いずれ光を隠し…光は、いずれ闇を照らす…それが、ウンメイ!」
「はあ?」
「アナタなんかに…レムレスセンパイを隠させたりしない…アタシがウンメイを変えるワ…」
「…」
 …とんでもいところにとばされてきたようだな。

 オレは、まだこれがここ、プリンプタウンの日常茶飯事だということに気付くのは、ずっと後だった…


END

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