ぷよぷよ!!〜本編〜

□第1章
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アミティ目線

「ユメ…?」
凄く凄く、嫌なユメ。もう見たくない。
あんな預言みたいなユメ、何かの間違いだ。所詮はユメだもん、気にしない。
…マサユメじゃないと良いけど。

「いってきまーす!」
今日も元気に学校に行く。それがあたしの日課!
さあ、今日もかんばるぞ!

「…!アナタ、ちょっと待ちなさい!」
「あれ?フェーリ?」
フェーリの学校のハズ。なんでここに?
「アタシ達の学校は、今日創立記念日でお休みなのよ…それよりアナタ、悪いコトがおこるわよ…」
「アタシに?」
「アナタというか…正確にはアナタ“達”かしら…モチロン、アタシも含まれるワ…厄災が降りかかろうとしてる…アナタに会うと、胸騒ぎがするの…」
「…まさか」
「アナタ、心当たりがあるの…?」
嫌だ。嫌だ。心臓がバクバクいって、冷や汗が出てくる。震えが止まらない。
そして、あたしはフェーリを無視して、走り去った。
「あ、ちょっと…!まだ話は終わってないワ‼︎」
「ご、ごめんフェーリ!」

走って走って、やっと学校についた。とっても、長い道みたいに長かった。そう感じたんだもん。
「ア、アミさん…?大丈夫ですか?」
「アミティさん?ちょっと、聞いてますの?」
リデルとラフィーナが心配して声をかけてくる。なんとか誤魔化さないと。
「う、うん。大丈夫!心配…しないでよ…」
「アミさん…?なんで…」
「…泣いてるんですの?」
「え…」
目からは、気付かないうちに涙がポロポロと零れ落ちていた。
「な、なんで…」
その時、先生が慌てて教室に入ってきた。

「皆さん、しばらく学校は休校になりました」
「ええっ!?なんでですの!?」
「シグくんとクルークさんが見当たらないの。他に行方不明の人も出ていて…」
「ほ、他には誰がいるんですか…?」
「アルルさんとりんごさんよ。何かあるといけないから、速やかに帰るようにね」
そう言い残して、先生は教室を出て行った。
シグ…本当に、何か起こるの?
そして、アルルとりんご…どこに行ったの?
ユメが本当なら、私はシグを倒して皆を救うか、シグを倒さないで世界を闇に落とすか…って感じなのかな。
嫌だ。どっちも選べないよ…

「う…っ、い、嫌だよ…選べないよ…」
「どうしたんですか、アミさん!?」
「突然どうしたんですの!?しっかりして!」
「今日ね…ユメで見たの…」

あたしは、ユメのことを2人に話した。上手く伝わったかは分からないけど、理解はしてくれた。
「成る程。つまり、シグをどうするか…ってことね」
「うん…あたし、シグに会えなくなるのなんて嫌…」
「私も、嫌です…シグさん、私と遊んでくれましたし…」
「私だって…」
「それに…りんごとアルルもいないし…クルークだって…」
そして、少しの沈黙

「…えーいっ、もうっ!こうなったら私達だけでなんとかしましょう!」
「ふえ?」
「このままここでウジウジしてても仕方ありませんし、対策を考えることにしましょう!博物館の図書室になら、なにかそれに関わるブンケンがあるハズですわ!」
「そうですね…良いかもしれません!」
「2人とも…ありがとう…」
そして、あたし達は博物館の図書室に向かった。
ラフィーナの言ったとおり、ブンケンは置いてあった。3人で円を作って、図書室のフリースペースで表紙を開く。

「えーと…この女神の子孫とかいうのがあたしだから、この栞をゲットすれば良いんだよね」
「アミティさん、前にクルークから貰ったとか言ってませんでした?」
「いや…なんか、消えちゃったんだ。知らないうちに」
そう、知らないうちに、スウッ…っと。

「…何やら不思議な話ですわね。そして…きっとこの紅いタマシイというのはクルークの本の中のヤツですわ」
「これがシグさんを探してる訳ですか…」
「ええっと…つまりこれは、時間との勝負ってことかな?」
「いや、この紅いタマシイがクルークの身体を乗っ取るには、3つのアイテムが必要と書いてありますわ。その中にあの栞がありますけど…」
「もしかしてこれ…もう紅いタマシイさんがゲットしてるんじゃ…」
「ええ〜っ!?じゃあ、もう手遅れってこと!?」
「いいえ、まだ打開策はありますわ。アミティさんがタマシイよりも先にシグを見つけ出し、シグを守りつつ、タマシイから栞を奪いとるのです!」
「そうすればシグも守れつつ、あたしも変身できるってことだね!」
「そういうことですわ!」
「あ、でも…まって」
「なんですの?」
「タマシイの方が先にシグを見つけたら、どうするの?打開策はないの?」
「う…そしたらもう…」

「あ、あの…」
本をじーっと見つめるリデルが意見を出す。
「もしかして…この事件は私達が思っているより酷い事件かもしれないです…」
「どういうこと?」
「このブンケン…何かが可笑しいと思っていたら、今現在の出来事も、リアルタイムで書き込まれているみたいなんです」
「ええ?」
「そして私、あっち側の協力者を見つけました」
「だ、誰?」
「エコロさんです。先程アルルさんとりんごさんがいなくなったと先生がおっしゃっていましたけど、エコロさんに取り憑かれています」
「じゃあ、たすけなきゃ!」
「はい。もしかしたら、この中の誰かが取り憑かれる可能性もあります」
「うーん、一個一個、問題を解決するしかないかな…」

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