姉と僕の夢

□呼び声は湖の底まで…
2ページ/3ページ

気付いたら私は何者かに頭を水面に押さえつけられていました

それだけじゃ無く
全身湖に浸かった私の足を掴み
もっと奥深くへ引きずり込もうとするのです

何者かと目を見開いて見たんですが
月明かりの逆光と揺れる水面で私を押さえつける人は見えなくて
私の足を引っ張る人は深い湖の闇で全く見えませんでした

私は必死にもがきました
それでも振りほどけなくて
口から漏れる空気が
私の死を実感させたんです


きっと 私は死んだのでしょう


吐き出せる息がなくなると
フッと何故か楽になりました

そして気付けば引っ張られることも押さえつけられることもなくなってました

目を開け水面を見ると
水面がキラキラ光ってました
月明かりと星の光で反射したんだです


綺麗でした とても綺麗だったんです


私は水面に上がることもせずに
その綺麗な水面を空を眺めながら
どんどん沈んでいき
闇に身を任せました
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ