ヴァンパイア騎士

□指折り数えた犯した罪
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悠お兄様に私は必要で
私に悠お兄様が必要。


2人は依存している。


でも、この依存は私だけ?
悠お兄様には私はいらないの?


樹里お姉さまは悠お兄様が好き。


だから、悠お兄様の婚約者の私が憎い?


だって、いつもそうだ。
私が悠お兄様といると感じる視線。
それは、樹里お姉さまの視線。
痛いほど感じる妬みの視線。



「悠お兄様」

「響華。僕たちは婚約者だ。名前で呼んでくれないか」



綺麗に微笑む。
だれもが、慕ってしまう笑顔。
そして、有無を言わせない笑顔。
私は大人しくその笑顔に従う。



「悠…」

「なんだい?」

「キスしよう」



そう、言えば必ずキスしてくれる。
悠お兄様は私のもの。
だから、樹里姉さまに見せ付けるように。


そうすれば少しは気づくでしょ。


悠お兄様は私のわがままなら聞いてくれる。
でも、樹里姉さまのわがままは?
同じ妹なのに扱いは違うでしょ?


悠お兄様は、もう私なしでは無理なほど依存している。
そして、私も…
この2人の依存関係は、もう誰にも壊せない。




そして、私は数えるの
私と悠お兄様がいる瞬間を見て歪む樹里お姉さまの顔を…



指折り数えた犯した罪




「悠。ここは嫌。だから、早く違う場所に行こう」



甘く囁けばすぐに堕ちる。
そして、またあなたの顔が歪む。


20110705
お題:彼女が為に泣いた

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