ヴァンパイア騎士

□僕のバットエンドが君にとってのハッピーエンドだっていう話なら
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※閑の妹設定



私はあなたをお姉さまの呪縛から解いてあげる。
お姉さまと同じ純血の血を引く私だから。



「響華。何を考えているんだい?」

「枢…」

「さっきから、錐生くんばかり見て」



枢は甘えるように私の首筋に牙を立てる。
吸血行為は違反のはず…
だけれど、それを覆してしまうのが寮長である

玖蘭 枢
私の婚約者様



「枢…もう、無理」

「ごめんね。響華。でも、君の瞳は何を写しているかわからない」

「それは、お互い様でしょ」



そう…
だって、枢はお姉さまを殺そうとしているんだから。
また、お姉さまも枢を殺そうとしている。
でも、私には関係ないし
興味もない。


今日の夜間部の登校もうるさい。
でも、錐生くんが来れば静かになる。
私は少しの出来心で彼に話しかけた。
でも、彼は私に銃を突きつけて来た。



「俺に触るな。」



その憎しみを孕んだ瞳。
ぞくぞくする…
でもね…
私には手を出せないの。


私に手を出せば、枢に殺される。
その前に、貴族階級の人たちが黙っていない。
でも、私は君に興味があるの。


お姉さまとの絆


私はそれを壊したい。
だって、お姉さまはあなたに血をあげない。


だから、私が血をあなたに分けてあげる。
閑と同じ緋桜の血を…
そして、あなたは私の従順な従者になるの。



「錐生 零くん。とっても、辛そうだね」

「失せろ。純血種が」

「私が純血種って気づいてたんだ」

「当たり前だろ、お前の名字…忌々しい。それに、同じ香りがする」



忌々しいか…
そうだよね。
でも、私はお姉さまとは違うよ。
乱心なんかしていない。
枢によって、箱庭で育ったような私は



「血。あげようか」



髪をあげ首筋を露にする。
もう、理性なんか保っていられないでしょ。



元人間の吸血鬼



飼い主の血なしでは生きていけない。
お姉さまが面倒をみないなら私がみてあげる。


耳元に届く血を飲む音。
それが、愛しくて私は錐生くんを優しく撫でる。



「どうだった?緋桜の血の味は?」



僕のバットエンドが君にとってのハッピーエンドだっていう話なら


ただ、残酷なだけ
これで、彼は緋桜の
お姉さまの呪縛から解けて私との新しい絆ができた。


お題:忘却曲線を越えて
20110619

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