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□妖怪達は良い奴
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「あれ?蓮斗様、お一人なんて珍しいですね」


『納豆小僧!』

何この子小さくてかわいい!!
今の俺とじゃそう変わらないけど!


『今からみんなで鬼ごっこしようよ!』

「じゃあ他の小妖怪達集めてきますね!」

納豆小僧が近くの小妖怪に声をかけると
すぐさま他の小妖怪達も集まってくる
「鬼ごっこ〜」「誰が鬼〜?」なんて会話してる小妖怪本当マジ天使


『鬼は俺がやるからみんな逃げて!』

「蓮斗様が鬼だって!」

わーわーと散らばっていく小妖怪達
百秒数えたら追いかける


『いーち、にーい、さーん』

「お、蓮斗珍しく一人かい?」

俺が一人ってそんなに珍しいのか
まあ、起きてすぐ父さんの顔があったてことはいっつも一緒にいるんだろう

父さん、親馬鹿なのかな


『鬼ごっこするんだ!』

話しかけてきたのは祖父ちゃんことぬらりひょん
縁側に座ってお茶啜っている

まさにジャパニーズお祖父ちゃんだね!


『きゅーじゅーきゅー、ひゃく!』

百数え終わったので小妖怪探して走り回る
意外と簡単に見つかる

身体能力はさすがぬらりひょんの孫
簡単に追いつけてあっという間に俺が逃走者に
次の鬼は小鬼

鬼ごっこじゃないよ
マジで鬼が追ってきてるよ怖っ
人選ミス・・・いや、妖選ミス?


『あ、青!黒!』

「おお?蓮斗様!?お一人なんて珍しいですね・・・」

「本当だな・・・必ず二代目が一緒にいるのに」

必ずってどんなんだよ
親バカにもほどがあるだろ


『鬼ごっこしてるの!今小鬼が鬼なんだ!青と黒も一緒に遊ぼう!』

こうして、俺は出会った妖怪全員を誘っていきいつの間にか屋敷の妖怪のほとんどが参加する鬼ごっこと化していた

参加してないのは父さんと母さんと祖父ちゃん
母さんは身ごもってるから自重した
父さんは誘えば参加するだろうけどみんな「蓮斗様が一人とは珍しい」って言うからしばらくは俺一人で行動するもんね

父さんが過保護すぎるんだい
何をするにも父さんがやってたって言うし


今は精神年齢前世入れて20なんだぞ!
こっちで二歳って発覚したから前世十八歳の俺は精神年齢二十歳だもんね

二歳児の口調頑張ってるけど無茶苦茶恥ずかしいよこれ


「蓮斗様!」

『豆腐小僧!誰か鬼になったの?』

「二代目が鬼ですよ」

『へ?父さん誘ってないよ?』

「手の目が二代目も参加してると思ってタッチしちゃったみたいで・・・」

『父さん参加するって言ったんだ・・・』

手の目のことだから俺が発案者だって言うだろう
ついでに俺が屋敷中の妖怪誘ってるのも言ってしまっただろう


「そういうことだ。なんで俺誘わなかったんだい?蓮斗」

『のわぁ!?』

子供相手に明鏡止水使うんじゃねぇぇ!!
技の無駄使い!!


『母さんとか祖父ちゃんとかも誘ってないもん!』

「血縁者だけ蚊帳の外かい?」

『ちゃんと理由あるもん!母さんは身ごもってるから危ないし祖父ちゃんは勝てないからヤダ!』

「俺は?」

『父さんも勝てないからや!』

そう言って走り出す
絶対逃げきってやる!

そのあと五秒で捕まったのは別のお話・・・
 

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