ディバインゲート

□誕生日プレゼント
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『ねぇスルト、名無しさんにプレゼントする洋服はこれでいいかしら』

『ん?ああ、いいんじゃないか』


真剣に女物の服を選ぶ男シグルズと、余所事を考えてるスルトは2人で買い物に出掛けていた。
名無しさんの誕生日プレゼントを買いに来ているのだが、これがかなり選ぶ時間が長くてスルトはうんざりしていた。


『ちょっと、真面目に考えて頂戴よ。アンタもプレゼントするのよ』

『俺達2人からじゃないのか、その服』

『バカね、ヘグニ達は個人で一つずつ用意してるのよ。だから、アンタも用意しなきゃいけないの』


指を差しながらいうと、スルトはめんどくさそうな顔をして、適当にその店の服を取り、


『これでいいか』

『…アンタ、そんなフリフリのミニが好みだったの?』

『そんなんじゃない、たまたま目にはいっただけで』



女物の服を扱う店に男2人がいるのは中々おかしいところだが、スルトは女物のグッズや服には興味が全く無く当然選ぶのも出来ないわけで。


『ヤダー!この服可愛いわよ見なさいよスルト!!』

『ああ、そうだな、いいんじゃないか』

『もう、全く分かってないでしょ。アタシはこれ買うからアンタもさっさと選んで購入しなさいよ』


といって、服を持ってお会計に。
残されたスルトは、店から離れ、この階の一覧が載った地図を見る。


『………指輪』


自分の装飾品をみて、これなら自分でも選べるのではないか?と思う。


『スルト、決まった?』


袋を片手にシグルズは聞いてくる。
指輪はどうか、と聞くと、


『…男から女に指輪を送るのはプロポーズ、まさかアンタ、結婚したいと思ってんじゃないでしょうね!』

『いや、そんなんじゃ…』

『もう、なにも考えてなさそうなのにプロポーズまで考えてたなんてアタシびっくりだわ!負けてらんないわ!』


勝手に話を進められて、誤解までされて、どうしよう、と気付かれないように焦るスルト。


『…じゃあ、菓子でも買う』

『じゃあ、だなんてアンタ適当すぎんのよ。もっと真剣に決めなさいよ』


もう嫌になってきた。
と思うスルト。



『じゃあいい、お前はもう帰れ。いちいちブツブツ文句をつけられていたら選ぶ気も失せる。俺ひとりで決める、口出しするな、帰れ』

『…』


あ、いいすぎたか。
と思ったとき、



『変なもの選んでプレゼントしたらアタシが許さないわよ』


と言って袋を揺らしながら店から出て行った。


『…はぁ』



溜め息を吐いて、店を見てまわるのだった。





───おわり───


こういうシグルズが書きたい為に書いたお話です。
お買い物行ったらシグルズ長いだろうななんて思っております。
未だに二人ともスクラッチ出ません。

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