ディバインゲート
□好きすぎてツラい
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『なんで名無しさんってあんなに可愛いんだろうな』
『なんで僕に聞くんですか』
整った顔立ちにふわふわの髪、風魔将ヤスツナは隣に座っている黒髪の眼鏡をかけた青年、光魔将ライキリに問う。
『ほら、考えてみろよ。あの前に着てた服なんていい案配に(胸が)見えてるし、ちゃっかり化粧までしてるし、髪もいつもより気合い入れてたしよ』
『何処まで貴方は見てるんですか、気持ち悪いですね』
溜め息を吐いてライキリは言う。
そんなことを言われているのにヤスツナは全く気にしないで続ける。
『俺さ、昨日名無しさんとなんだっけ、パラパラ?行ったんだぜ』
『スイパラだろ』
と、違う声が2人の耳に届いた。
無魔将ナキリだ。
何故スイパラと分かったのだろうかという所は置いておいて、
『あ〜そうそう、そっちだ』
『全然違うじゃないですか』
『俺だって間違うんだよ、ん、今日は風が大人しいな』
ナキリは二人の会話にハハハ、と腕を組んで笑っている。
『というか!君はそんなことを言うために僕を呼び出したんですか!』
珍しくライキリが声をあげた。
一瞬びっくりしたヤスツナは、そんな彼を見て薄く笑う。
『お前だって名無しさん好きだろ』
『な!?なにを言ってるんですか!僕は貴方みたいに浮かれて女遊びしてるような男じゃないんです』
『失礼だな、俺は名無しさんだけが好きだから勘違いすんなよ童貞』
『君はまたそうやって稚拙な発言を……!いい加減僕も呆れますよ!』
『お前も童貞だろヤスツナ』
『おいバラしてんじゃねぇ!』
彼は頬を少し赤らめながら大声で言う。
と、そこに。
『やっほ〜ヤスツナ、お昼ご飯作ってきたんだよ!ってあれ、ライキリとナキリさん?』
タイミングが良いのか悪いのか、名無しさんが登場。