ディバインゲート
□暇潰し
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学園の屋上に、その青年はいた。
晴れて雲一つ無い空を、誰もいない屋上の床に寝転んで見つめる。
『……』
ただ、じっと見つめていた。
風がいつもよりも静かだ、と感じながら。
耳障りな教室よりも、ここのほうが居心地が良かった。
顔は良いのに、よく分からない事ばかり口にして残念な悪魔。
と噂はされているのは知っていた。
でも、そんなことどうでもよかった。
それを聞いたところで、どうにもならないし、どうにかするつもりもない。
自分の道は自分で決める。
『あれあれ?おサボリさんみーっけ』
『…お前か』
自分を覗き込むひとりの女。
『サボリはお前もだろ?真面目さんは授業受けてる時間だぜ』
と、遠まわしにさっさとどっか行け。と言う。
彼女は同じクラスで、特に目立つ事もない普通な成績の普通な生徒。
ひとつ言えるのは、この女が自分に近付いてきた事に気付けなかった。
こいつはすげぇな、と関心した。
『で、何の用だよ』
『んーん、特になにも』
『帰れよ』
『一緒に?』
『アホか』
くだらない話に付き合う暇はなかった。
でも忙しいわけでもなく、彼はただ自分がめんどくさいと思った事は早めに片付けておきたかった。
諦めて帰るだろ、と願いながら彼は目を閉じた。