光の守護者

□story,17 希望への光
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ソラが居なくなって

あれから何日が過ぎただろう。


ー...心の何処かで 側に居るのが 当たり前だと 思っていた。


いつも側にあった存在を失った俺は 焦るばかりで。

...本当にソラが 死ぬのなら、俺はこれから先 どのように生きていけば 良いのかな。

出るはずもない答えを ただただ、考えるばかりだった。





story,17 希望の光





「畜生、どうなってんだよ この床は!?」

「気を付けろよ、リンク!
そんなに焦って行くと 足元 掬われるぞ!」

「なら、ミドナは 平気なのかよ!」

「平気な訳、ないだろ!?
でも今は 確実に進むしかないんだっ!
そんなことぐらい いい加減、分かれよ!」



時の神殿を出てから、その機能を失った コピーロッドに光を戻し 天空都市への道標を探す為、リンクとミドナは ハイラル各地にある石像から 天空文字を入手し、教会の地下で眠っていた大砲を発見する。

途中で合流した おばチャンに導かれ 無事、天空都市へと 辿り着いたのだが 初めて訪れる天空の城に リンクは 苛立ちを隠せずに居た。

目の前で拐われていく ソラの姿。

脳裏に焼き付いて離れないその映像に リンクは 焦るばかりだった。

焦れば焦るほど 身体は思うように進まず、気持ちばかりが 先攻していく。

ー早く、ソラを 救いたい。
今度こそ、この手で...ー

リンクは 不安定な足場を 駆け抜け、クローショットを駆使し 天空都市の最下部へと 降りていく。



「...何だよ、この部屋。」



四角い空間の窓から 降り注ぐ日の光。

地上とは 比にならないほどに 間近にある太陽は 皮肉にも リンクを明るく照らしていて。

早く欠片を 手に入れたくて 焦れったいリンクを 躊躇させた。



"リンク、気を付けて。"



いつもなら 必ず背後から聞こえる ソラの声。

甲高く響く 双剣の唸り。

居ないはずのソラの存在を またもや 思い出してしまう。



「おい、リンク!あれ!」



ミドナの声で 我に返ったリンク。

目の前には いつの間にか現れた 竜騎士のような魔物が 羽根を羽ばたかせている。

背後にある マスターソードを構えると 宙を待った魔物は リンク目掛けて突進してきた。



「っ、こんなの 剣が 当たらねえじゃねえか!」

「リンク、クローショットを使え!」

「クローショット!?」

「ああ!あいつの盾を 狙うんだ!」



ミドナに言われるがまま、クローショットを放つ。

が、自在に宙を舞う魔物に 中々狙いが定まらない。


「っ、逃げ回んなって!」



魔物は リンクの様子を 伺うように 宙を停滞している。

リンクは 腕を魔物へと向け、位置を片腕で固定すると クローショットを放った。



"ビュンッ"



風を斬るかのように 近付いてくる魔物。

側へと降り立った魔物に リンクは迷わず マスターソードを抜いた。



「やったか!?」



悲痛な叫びを挙げ、黒煙を撒き散らしながら 姿を消した魔物。

誰も居なくなった 最下部の部屋に現れた宝箱を開けると そこにはもう1つのクローショットが 入っていた。



「...これで、届かなかった的にも クローショットを放てる。
急ごう、ミドナ。

ソラが心配だ。」

「ああ。」



高い天井にある シャンデリアへ、ダブルクローショットを放つと リンクは足早に 最下部を後にした。
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