光の守護者

□story,08 城の黄昏
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story,08 城の黄昏



「レジスタンスに?」

「...ああ、何か情報が 掴めるかもって思ってな。」



カカリコ村を 朝焼けが包む。

無事にイリア達を 送り届け、一段落したリンク達。

テルマは レナードが気に入ったのか 側で話し込んでいる。

リンクはテルマに誘われた レジスタンスの話を ソラへとしていた。



「レジスタンスって言う組織があるって 噂では聞いていたけど...。
本当にあったなんて、知らなかったわ」

「何でも、独自に ハイラルの異変を調べてるみたいなんだ。」

「...なら、ワタシらが知らない情報も 握ってるって訳だな。」



宿屋の前のテラスで 話し込む3人。

するとそこへ 何処からともなく ルテラの姿が 現れた。

ルテラはまるで こちらに来いと言わんばかりに 墓地の方へと 消えて行く。



「...こっちに来い、って言う事か?」

「追いかけましょう、勇者さま」



リンクとソラは ルテラの後を追い、墓地の方へと 進んで行った。



"此度は、息子を救っていただき ありがとうございました"



墓地の突き当たりにある ゾーラの紋章。

ルテラが 封印していた、と言わんばかりに 固く閉ざされた石を除く。

石の祠の中には 澄んだ水と蘚が生えている岩場が広がっていた。



"あなた方には、感謝しても しきれない程です。
本当に ありがとうございました"



深々と頭を下げるルテラ。

それに続くように、リンクとソラも 軽く会釈した。



"此処に来ていただいたのは、亡き夫 キングゾーラからの遺言を あなた方に託す為です。"

「遺言...?」

"はい、一つは 来るべき勇者に力を授ける事。
もう一つは...巫女さま 貴女に、です。"

「アタシ?」



ソラは 自分を指差し 驚きを隠せない、と言うように ルテラを見つめる。



"ただ一言、"母上様にこれを"と。"



ルテラが キングゾーラの墓を開ける。

開けると同時に キラキラと輝く羽衣が ソラの手元へと 降ってくる。

ソラは両腕で 光輝く羽衣を受けとる。



「...これは?」

"ゾーラ族に伝わる 水の羽衣です。"

「あの、...母はすでに...」

"...そうですか、貴女もあの子のように...。
貴女の憤りは、そこから来ていたのですね。
...いつか、貴女の役に立つ時が 来るはずです。受け取って下さい"



ルテラはニッコリと優しく微笑み、リンク達へと告げる。



"あなた方二人が 共に旅立ったのも何かの縁。
勇者、リンク。そして巫女、ソラ。
あの子は、私の死を知りません。
どうか、最後に一つだけ お伝えください。
あの子に...ラルスに愛している、と。"



ルテラはそう告げると 満足したかのように 光に包まれ、消えて行った。



「...ソラ、ミドナ。
湖底の神殿へ 行こう。
最後の影の結晶石を取りに。」

「うん...」

「ああ」



リンク達は ゾーラの墓を後にした。
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