偽りの姫君

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『…あの 巨大な生物…。』

「…ああ、ライアの読みで 間違いない。

アイツは きっと…神獣 ヴァ・ルーダニア

『…かつて ゴロン族英傑が 操ったと言われている 古代兵器ね。

と、なると…。先程起こった火山弾に ゴロン族の子が言っていた 食糧不足…。

神獣 ヴァ・メドーの時と 同様に 何か因果関係が ありそうね。』



思考回路を巡らせ、考察しているライア。

リンクもライアの意見に 同調するかのように 静かに 頷いた。



「…そうなれば、まずは 情報収集

早速、ゴロン族のを 訪ねてみよう」

『ええ』



2人は ゴロンシティまでの 残りの急登へと 足を踏み出した。





*****





ゴロンシティ 入り口にて、門番をしている 1人のゴロン族。

その者は、リンクとライアの姿を 確認すると 武器を手に 近付いて来る。

警戒心を解こうと 2人は丁重に 頭を下げ、挨拶を交わした。



「ウォッホン…。よくぞ 参られた、リンク殿!」



…初めて 出会うハズの ゴロン族。

予想もしなかった 門番の返答に、リンクは 驚きながら 疑問を返す。



「…どうして 僕の名前を…?」



名を知っている 門番に驚いたリンク同様に、ライアも 驚きの表情を 浮かべている。



「そんなことより キミ、さっきの火山弾、大丈夫だったゴロ?」

「…えっ?、あ、…まあ…。何とか…」

「それは 良かったゴロ!

近頃、あの火山弾のせいで お客さんが 減っちゃって…。

英傑様ごっこでも してないと、ヒマでヒマで…」

「…あ、そう言うこと…」

『…ふふっ』

「・・・」



リンクと門番のやり取りに ライアは思わず 笑みを洩らす。

リンクは そんなライアに、"笑うな"と 言いた気な 視線を 送っている。

そんな2人を他所に 門番は 話を続けた。



「ちなみに リンクと 言うのは、100年前 町の英傑 ダルケル様と 共に戦った ハイリア人ゴロ。

詳しい事は 奥に居る 組長にでも 聞くと良いゴロ」

『…組長?』

「ほら、あそこに居るのが 組長ゴロ」



門番が振り向いた先…。

町の一番 上座にある 屋敷の前で、苛立ちを隠せないで居る 1人の老人。

その老人は 腹立たしい気持ちを 表すかの如く、忙しく 地団駄を 踏んでいる。



『…あ、あの方が…』

「・・・」

「…組長、近頃 ご機嫌が 悪いから…。」



門番は 苦笑いの表情で リンクとライアに 軽く手を上げると、与えられた任務を果たす為 定位置へと 戻って行った。



『…行きましょうか。』

「…あ、…あぁ。」



遠方からでも見て取れる 気迫の良さに、多少身動ぎながらも リンク達は 組長の元へと 向かった。





31:ゴロンシティ fin.






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